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グプタ様式とは わかりやすい世界史用語816
著作名: ピアソラ
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グプタ様式とは

グプタ様式は、インドのグプタ朝(約320年頃~550年)の時代に発展した芸術様式であり、インド美術の黄金時代と称されることが多いです。この時代の芸術は、宗教的な彫刻や建築、絵画など多岐にわたり、その洗練された美しさと技術の高さで知られています。ガンダーラ様式に見られるギリシア様式から脱却した芸術様式です。

グプタ様式の特徴

彫刻

グプタ様式の彫刻は、その優雅さと調和の取れたプロポーションで際立っています。特に仏像やヒンドゥー教の神々の像が多く作られ、その表情や姿勢には内面的な静けさと瞑想的な雰囲気が漂っています。代表的な例として、マトゥラやサールナートで制作された仏像があります。これらの仏像は、柔らかな曲線と自然な人体表現が特徴で、赤砂岩や石灰岩が主に使用されました。

建築

グプタ朝の建築は、石造りの寺院や仏塔が中心です。特に、アジャンター石窟群やエローラ石窟群は、この時代の建築技術の高さを示しています。これらの石窟寺院は、内部に精巧な彫刻や壁画が施されており、宗教的な儀式や瞑想の場として使用されました。

絵画

グプタ様式の絵画は、アジャンター石窟群の壁画が最も有名です。これらの壁画は、仏教の物語や神話を描いており、その色彩の豊かさと細部の描写が特徴です。特に、人物の表情や衣服のひだの表現には、当時の高度な技術が見て取れます。



歴史的背景

グプタ朝は、インドの北部を中心に広がった王朝で、その最盛期にはインド亜大陸の大部分を支配しました。この時代は、政治的な安定と経済的な繁栄が続き、文化や学問が大いに発展しました。特に、仏教やヒンドゥー教の信仰が深まり、それに伴って宗教芸術も発展しました。

影響と遺産

グプタ様式は、その後のインド美術に大きな影響を与えました。特に、後の時代の彫刻や建築において、グプタ様式の特徴が引き継がれています。また、東南アジアの美術にも影響を与え、カンボジアやタイなどの地域で見られる仏教芸術にもその影響が見られます。

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