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部派仏教とは わかりやすい世界史用語788
著作名: ピアソラ
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部派仏教とは

部派仏教は、仏教が複数の教派に分かれた時代を指します。この時代は、仏教の教義や実践が地域や文化によって異なる形で発展した結果、さまざまな部派が形成された時期です。

部派仏教の歴史

部派仏教の起源は、釈迦牟尼仏の入滅後、仏教教団(サンガ)が教義や戒律の解釈を巡って分裂したことに始まります。最初の分裂は、紀元前4世紀頃に起こったとされ、これにより上座部と大衆部の二つの主要な部派が形成されました。

主要な部派

部派仏教には、以下のような主要な部派があります:

上座部:この部派は、仏教の戒律を厳格に守ることを重視し、後にテーラワーダ仏教として知られるようになりました。

大衆部:この部派は、より柔軟な戒律解釈を採用し、後に大乗仏教の基盤となりました。

説一切有部:この部派は、すべての存在が過去、現在、未来にわたって実在するという教義を持ち、アビダルマの発展に大きく寄与しました。

経量部:この部派は、経典(スッタ)のみを重視し、アビダルマを否定する立場を取りました。

教義の違い

部派仏教の各教派は、教義や実践においてさまざまな違いを持っています。以下に、いくつかの主要な教義の違いを示します:

存在論:説一切有部は、すべての存在が三世(過去、現在、未来)にわたって実在すると主張しましたが、経量部はこれを否定し、存在は瞬間的であるとしました。

仏陀の性質:大衆部は、仏陀が超越的な存在であり、無限の智慧と慈悲を持つと考えましたが、上座部は仏陀を人間として捉え、その教えを重視しました。

解脱の方法:上座部は、個々の修行者が戒律を厳守し、瞑想を通じて解脱を目指すことを強調しましたが、大衆部は、菩薩道を通じて他者を救済することを重視しました。

部派仏教の影響

部派仏教は、仏教の教義や実践の多様性を生み出し、後の大乗仏教や密教の発展に大きな影響を与えました。また、各部派の教義や経典は、仏教哲学や瞑想実践の基盤となり、現代の仏教研究においても重要な位置を占めています。

部派仏教は、仏教の歴史において重要な時期であり、さまざまな教派が形成され、それぞれが独自の教義や実践を発展させました。

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