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中王国時代とは 世界史用語136 |
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著作名:
ピアソラ
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中王国時代は、紀元前21世紀頃から紀元前17世紀頃にかけての時期を指します。古王国の崩壊後、一旦分権化したエジプトを再統一した時代です。
中王国時代の始まりは、アメンエムハト1世が下エジプトを征服してエジプトを再統一したことによります。以後、センウセレト1世、アメンエムハト2世、センウセレト2世と続く中王国の全盛期が訪れます。
中王国時代のファラオたちは、古王国時代のような大規模なピラミッド建設は控えめになり、実用性を重視した治水・灌漑事業に力を注ぎました。ファイユーム湿地の開発が行われ、エジプトの農業が発展しました。
アメンエムハト1世は、上エジプトと下エジプトの間に新たな境界線を引き、中王国時代の国境を確定しました。またファラオの自立性を高めるために官僚機構の再編成が行われたと考えられています。
アメンエムハト3世の時代には、ナイル川の氾濫を防ぐためにファイユーム地方に大規模な灌漑用ダムを建設しました。これによってファイユーム一帯の新しい農地が開拓され、収穫量が増大したとされています。
一方、中王国時代も後期になると、再び地方の諸侯が分離独立の動きを強め、王権が衰退していきました。アジアやヌビアからの侵入も激しくなり、政治的混乱が始まりました。
紀元前16世紀半ば、下エジプトのヒクソスがテーベを襲撃し、中王国は滅亡します。ヒクソスによる支配時代を経て、新王国時代が到来します。
中王国時代の遺産として、文学、美術、建築の発展があります。『イプウェルの教訓』『エロクェント・ペザント』などの文学作品が残されています。建築面では、ダハシュールのピラミッドなどが建設されました。
エジプトの中王国とは、古代エジプトの歴史の中で、第一中間期と呼ばれる政治的分裂の時期に続いて、紀元前2040年から紀元前1782年までの期間を指します。この時期は、エジプトの古典時代と考えられており、最高の芸術作品や文学作品が生み出されました。中王国を構成する王朝については学者の間で意見が分かれていますが、一般的には第11王朝の後半から第13王朝の中頃までを含むとされています。第13王朝は第12王朝ほど強力で安定しておらず、下エジプトに移住してきたヒクソスと呼ばれる民族によって権力が揺らぎました。ヒクソスはやがて第13王朝に挑戦するほどに強大になり、エジプト第二中間期と呼ばれる時代を幕開けしました。
中王国の時代は、エジプトの社会や文化に大きな変革をもたらしました。第11王朝のメンチュヘテプ2世は、上エジプトと下エジプトを再統一し、テーベを首都としました。彼はエジプトの南部にあるヌビアに遠征し、エジプトの勢力を拡大しました。彼の葬祭殿はテーベにあり、そこにはアモン=ラーという神の最古の描写があります。アモン=ラーは後にエジプトの最高神となりました。
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