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ジャルモ メソポタミアの古代遺跡 世界史用語53 |
著作名:
ピアソラ
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ジャルモの発見と発掘
ジャルモは、イラクのキルクークの東に位置し、ザグロス山脈のふもとにあります。標高は800メートルで、オークやピスタチオの森林が広がるアダイム川の流域にあります。ジャルモは、紀元前7090年から紀元前4950年の間に存在した農業共同体で、約12層の建築物や改築物が発掘されました。ジャルモは、世界で最初の定住農業の起源を研究するために、シカゴ大学東洋研究所の考古学者ロバート・ブレイドウッドが選んだ場所の一つでした。
ジャルモは、1940年にイラクの古代遺物局によって最初に発見されましたが、その後ブレイドウッドに知られるようになりました。彼は、1948年、1950-51年、1954-55年にわたって、イラク・ジャルモ計画の一環として発掘を行いました。1954-55年の発掘では、植物や動物の家畜化の起源を明らかにするために、初めて多分野にわたるアプローチを採用しました。彼のチームには、地質学者のハーバート・ライト、古植物学者のハンス・ヘルバーク、陶器や放射性炭素年代測定の専門家のフレデリック・メイソン、動物学者のチャールズ・リード、およびいくつかの考古学者が含まれていました。このような学際的な方法は、その後の考古学の現場調査においても用いられるようになりました。
ジャルモの村の構造と生活
ジャルモの村は、約12,000から16,000平方メートルの面積を占め、紀元前7090年に最初に居住されたと推定されています。この村は、約25軒の家からなり、泥で作られた壁と屋根を持ち、石の基礎の上に建てられていました。家の床面積は約10平方メートルで、部屋は1つか2つでした。家の間には、狭い通路や広場があり、村の中心には、祭壇や神像が置かれた神殿がありました。家の中には、火を起こすための炉や、食物や道具を保管するための壁に埋め込まれた壷がありました。家の外には、穀物や動物の飼料を貯蔵するための穴や、動物の骨や角を使って作られた柵がありました。
ジャルモの人々は、主に小麦や大麦を栽培し、犬やヤギを飼育していました。彼らは、野生の動物や植物も狩猟や採集していましたが、その割合は徐々に減少していきました。彼らは、石や骨や木で作られたさまざまな道具を使って、農業や家事や工芸に従事していました。彼らは、粘土や籠や皮で作られた容器や、石や貝殻や動物の歯で作られた装飾品や、骨や角で作られた笛や弓などの楽器や武器も作っていました。彼らは、紀元前6500年頃から、粘土を焼いて作った陶器も使い始めました。彼らは、自分たちの村だけでなく、他の村や地域とも交流や交易を行っていました。
ジャルモの農業と技術の発展
ジャルモは、世界で最初の定住農業の例の一つとして注目されています。ジャルモの人々は、紀元前7000年頃から、小麦や大麦などの穀物や、レンズ豆やエンドウ豆などの豆類を栽培していました。彼らは、野生の植物を選択的に採集し、自分たちの村の近くに植えて、収穫を増やす方法を学んだと考えられています。彼らは、植物の種子や根や茎や葉を食べるだけでなく、粉に挽いてパンを焼いたり、麦芽を発酵させてビールを作ったりもしていました。彼らは、農業のために、石や骨で作られた鎌や鋤や鍬や穿孔器などの道具を使っていました。彼らは、穀物を収穫した後に、穴や壷に貯蔵していました。
ジャルモの人々は、動物の家畜化も行っていました。彼らは、紀元前7000年頃から、犬を飼い始めました。犬は、狩猟や番犬やペットとして使われました。彼らは、紀元前6500年頃から、ヤギを飼い始めました。ヤギは、肉や乳や毛皮や角として利用されました。彼らは、ヤギの飼育のために、柵や小屋や飼料を用意していました。彼らは、他の動物としては、羊や豚や牛も飼っていた可能性がありますが、その証拠は多くありません。彼らは、野生の動物としては、イノシシやウサギや鳥などを狩っていました。彼らは、動物の肉や骨や皮や毛や角を食べたり、道具や装飾品や楽器や武器に使ったりしていました。彼らは、動物の飼育や狩猟のために、石や骨で作られたナイフや矢じりや槍や弓などの道具を使っていました。
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