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古文単語「おぼつかなし/覚束なし」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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おぼつかなし/覚束なし

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形容詞・ク活用

未然形おぼつかなくおぼつかなから
連用形おぼつかなくおぼつかなかり
終止形おぼつかなし
連体形おぼつかなきおぼつかなかる
已然形おぼつかなけれ
命令形おぼつかなかれ


意味1

はっきりしない、ぼんやりしている

[出典]折節の 徒然草
「山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひすてがたきこと多し。」

[訳]:山吹(の花)がさっぱりとしてきれいに(咲き)、藤(の花)がぼんやりとはっきりしない様子が、すべて、見捨てにくいことである。


意味2

不審だ、疑わしい

[出典]:徒然草
「四条大納言選ばれたる物を、道風書かんこと、時代や違ひはべらん。おぼつかなくこそ。」

[訳]:四条大納言が編纂されたものを、小野道風が書くということは、時代が違うのではないでしょうか。疑わしく(思います)。


意味3

気にかかる、気がかりだ、心配だ

[出典]:木曾最期 平家物語
「旗をば巻かせて、主のおぼつかなきに、都へ取って返すほどに...」

[訳]:(今井四郎は)旗を巻かせて、主(木曽義仲)が気がかりなので、都へ引き返すときに...


意味4

心細い、頼りない

[出典]薄雲 源氏物語
「かやうならむ日、ましていかにおぼつかなからむ。」

[訳]:(姫君を手放してしまったならば)このような(雪が一面を暗くする)日には、これまでよりもどんなに心細いでしょうか。


意味5

待ち遠しい、会いたい、もどかしい

[出典]:伊勢物語
「いかでものごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたること、少しはるかさむ。」

[訳]:なんとかして(御簾ごしにでも)お目にかかって、もどかしく思いつめた気持ちを、少し晴らしたい。


意味6

疎遠である、ご無沙汰している

[出典]:和泉式部日記
「あさましく心よりほかにおぼつかなくなりぬるを...」

[訳]:(自分でも)あきれるほど思いがけなくご無沙汰してしまったことを...


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