更新日時:
|
|
古文単語「おぼつかなし/覚束なし」の意味・解説【形容詞ク活用】 |
|
著作名:
走るメロス
24,464 views |
このテキストでは、ク活用の形容詞「おぼつかなし/覚束なし」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
未然形 | おぼつかなく | おぼつかなから |
連用形 | おぼつかなく | おぼつかなかり |
終止形 | おぼつかなし | ◯ |
連体形 | おぼつかなき | おぼつかなかる |
已然形 | おぼつかなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | おぼつかなかれ |
はっきりしない、ぼんやりしている。
[出典]:折節の 徒然草
「山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひすてがたきこと多し。」
[訳]:山吹(の花)がさっぱりとしてきれいに(咲き)、藤(の花)がぼんやりとはっきりしない様子が、すべて、見捨てにくいことである。
「山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひすてがたきこと多し。」
[訳]:山吹(の花)がさっぱりとしてきれいに(咲き)、藤(の花)がぼんやりとはっきりしない様子が、すべて、見捨てにくいことである。
不審だ、疑わしい。
[出典]:徒然草
「四条大納言選ばれたる物を、道風書かんこと、時代や違ひはべらん。おぼつかなくこそ。」
[訳]:四条大納言が編纂されたものを、小野道風が書くということは、時代が違うのではないでしょうか。疑わしく(思います)。
「四条大納言選ばれたる物を、道風書かんこと、時代や違ひはべらん。おぼつかなくこそ。」
[訳]:四条大納言が編纂されたものを、小野道風が書くということは、時代が違うのではないでしょうか。疑わしく(思います)。
気にかかる、気がかりだ、心配だ。
[出典]:木曾最期 平家物語
「旗をば巻かせて、主のおぼつかなきに、都へ取って返すほどに...」
[訳]:(今井四郎は)旗を巻かせて、主(木曽義仲)が気がかりなので、都へ引き返すときに...
「旗をば巻かせて、主のおぼつかなきに、都へ取って返すほどに...」
[訳]:(今井四郎は)旗を巻かせて、主(木曽義仲)が気がかりなので、都へ引き返すときに...
心細い、頼りない。
待ち遠しい、会いたい、もどかしい。
[出典]:伊勢物語
「いかでものごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたること、少しはるかさむ。」
[訳]:なんとかして(御簾ごしにでも)お目にかかって、もどかしく思いつめた気持ちを、少し晴らしたい。
「いかでものごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたること、少しはるかさむ。」
[訳]:なんとかして(御簾ごしにでも)お目にかかって、もどかしく思いつめた気持ちを、少し晴らしたい。
疎遠である、ご無沙汰している。
[出典]:和泉式部日記
「あさましく心よりほかにおぼつかなくなりぬるを...」
[訳]:(自分でも)あきれるほど思いがけなくご無沙汰してしまったことを...
「あさましく心よりほかにおぼつかなくなりぬるを...」
[訳]:(自分でも)あきれるほど思いがけなくご無沙汰してしまったことを...
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
古文単語「ふきかへす/吹き返す」の意味・解説【サ行四段活用】
>
古文単語「ひきたる/引き垂る」の意味・解説【ラ行下二段活用】
>
古文単語「ちょくかん/ちょっかん/勅勘」の意味・解説【名詞】
>
古文単語「ひたぶるなり/一向なり/頓なり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】
>
古文単語「おもひよそふ/思ひ寄そふ」の意味・解説【ハ行下二段活用】
>
最近見たテキスト
古文単語「おぼつかなし/覚束なし」の意味・解説【形容詞ク活用】
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング