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古文単語「わかし/若し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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わかし/若し

このテキストでは、ク活用の形容詞「わかし/若し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形わかくわかから
連用形わかくわかかり
終止形わかし
連体形わかきわかかる
已然形わかけれ
命令形わかかれ


意味1

幼い、若年である

[出典]姨捨 大和物語
「信濃の国に更級といふ所に、男住みけり。若き時に親死にければ、をばなむ親のごとくに、若くより添ひてあるに...」

[訳]:信濃の国の更級という所に、男が住んでいました。(男が)幼いときに親が死んでしまったので、伯母が親のようにして、(彼の)幼いときから付き添っていましたが...


意味2

あどけない、子どもっぽい、未熟だ

[出典]:夕顔 源氏物語
「物をいとおそろしと思ひたるさま、若う心苦し。」

[訳]:何かをとても恐いと思われている様子が、子どもっぽくいじらしい。

※「若う」は連用形「若く」のウ音便。




意味3

若々しい、みずみずしい、生気に満ち溢れている

[出典]検非違使忠明のこと 宇治拾遺物語
「これも今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。それが若かりける時、清水の橋のもとにて京童部どもといさかひをしけり。」

[訳]:今となっては昔の話ですが、忠明という検非違使(けびいし)がいました。それ(忠明)が若かった頃、清水寺の橋のたもとで京都童たちとけんかをしました。


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