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魯迅「故郷」の文学史
著作名: みんと
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はじめに


中国文学である「故郷」を魯迅の人物像や当時の中国社会から文学史的に読み解いていきます。
作品の理解を深め、応用問題にも対応できる力をつけていきましょう!

魯迅について


1881~1936年の近代中国の文学者。
1902年に官費留学生として日本に留学し、仙台医学専門学校で学ぶが、中国人の精神改造を急務と考え文学に転向し、1909年に帰国。
1918年「新青年」に「狂人日記」を発表し、旧中国の儒教倫理からの解放を呼びかけた。
さらに「阿Q正伝」をはじめ多くの小説・詩・評論などを発表し、中国社会の暗黒を詩に至るまで暴露し続けた。

「旺文社百科事典 エポカ」より


魯迅の生い立ちと中国社会の変遷


1881年
魯迅、中国の裕福な家庭に誕生

1884年 清仏戦争
このころ地方では役人の力が強く、人民から勝手に税を取り立てることも多かった


1993年
高級官僚で読書人の祖父の投獄、父の病気のために没落

1993年 日清戦争
北京などの領土を奪われた


1904年
来日し、反清革命に共鳴する

1906年
中学に戻り、文学の道を志す

1909年
郷里紹興で教員をする

1911年 辛亥革命 
清朝が滅び2000年来の専制政治は終わり共和制となる


1912年 中華民国成立


1912年
新政府の教育部員となるが革命の不徹底さのために挫折し辞める

1919年
母と弟を紹興から北京に呼び寄せる

1919年
このころあら自由な言論が行われるようになる。
しかし革命的な文学者に対する弾圧も強く、魯迅にも十年杏の逮捕命令が出され続けていた


1921年
「故郷」発表。
続いて「阿Q正伝」発表。

1931年 日中戦争


1936年
民族統一戦線の結成をめぐる論戦中に病死。享年55歳。

「世界文学全集47 魯迅」(河出書房)・「中学社会(歴史的分野)」(大阪出版)


まとめ


魯迅は中国人の精神改造を訴えるために文学に転向した


役人の力が強かったこと、その圧政に苦しむ国民の姿を「故郷」に映し出した


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