|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
ヨーロッパの東西分断(鉄のカーテン、東西ドイツの成立など) 受験対策問題 105 |
著作名:
レキシントン
16,666 views |
ヨーロッパの東西分断で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
イギリスの状況
・1945年の総選挙で首相となったアトリーは、労働党内閣を組織し、「ゆりかごから墓場まで」という福祉社会制度の充実を目指した。また国内ではイングランド銀行や石炭産業などの重要産業を国有化した。
・1951年になると、第二次世界大戦中に挙国一致内閣で活躍したチャーチルが総選挙で勝利し、保守党による第二次チャーチル内閣が成立した。この内閣で外相を務めたイーデンは、チャーチルのあとを受け首相となったが、1956年にスエズ動乱(第2次中東戦争)を招いた責任をとり退陣した。
・第二次世界大戦中のエールは中立を守りぬき、戦後の1949年にイギリス連邦から脱退しアイルランド共和国に改称した。
フランスの状況
・フランスでは、ド=ゴールの亡命先ロンドンで成立していた自由フランス政府が1944年に改組され、フランス臨時政府が成立した。1946年には、第四共和政がはじまり、第四共和国憲法が制定され、人権宣言の再確認・男女完全平等・基本的人権の保障・専制排除が定められ、議院内閣制がとられた。
・1920年に成立したフランス共産党は、大戦中レジスタンス運動の中核を担った。この政党は単独政権にはなれなかったものの、第一党として幾度か政権に参加した。1948年以降は野党となった。
イタリアの状況
・1946年の国民投票の結果、イタリアでは王政が廃止され、以後共和制となった。以後イタリア共産党・イタリア社会党・キリスト教民主党などが政治を動かした。
東欧の状況
・第二次世界大戦後の東ヨーロッパでは、各地で人民民主主義が成立し、ポーランド(1945年)・ハンガリー(1949年)・ルーマニア(1947年)・ブルガリア(1946年)・アルバニア(1946年)ユーゴスラヴィア(1945年)など様々な社会主義国が誕生した。
・ユーゴスラヴィアでは、大戦中ドイツに抵抗した指導者ティトーがスターリン支配を拒否し、1948年コミンフォルムから除名された。以後ユーゴスラヴィアは西側に接近し、独自の社会主義建設と中立外交をとるようになった。
冷戦のはじまり
・第二次世界大戦末期から戦後にかけて、アメリカとソ連の直接的な軍事衝突がない「冷たい戦争」(冷戦)がはじまった。
・1946年にイギリスの首相チャーチルは、ソ連がバルト海のシュテッティンからアドリア海のトリエステまで「鉄のカーテン」をおろしているとし、東側の勢力拡大を非難した。
・ソ連の勢力拡大に対し、アメリカのトルーマン大統領は封じ込め政策を行い、反共諸国に対する軍事・経済的援助を進めた。この政策には、ギリシア・トルコに援助を行い、共産化を阻止するとしたトルーマン=ドクトリン、アメリカの援助によるヨーロッパ復興計画のマーシャル=プラン、北大西洋条約機構(NATO)の創設などが挙げられる。
・1948年、マーシャル=プランを受け入れる西欧16カ国は、ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)を結成し、これがのちの経済協力開発機構(OECD)に発展した。戦後から1960年代までの時代を「アメリカの平和」といい、アメリカは長らく資本主義世界の主導権を握った。
・一方、共産主義陣営でもマーシャル=プランに対抗しコミンフォルム(共産党情報局)が組織され、最終的にソ連・フランス・イタリア・ブルガリア・ルーマニア・ハンガリー・ポーランド・チェコスロヴァキア・ユーゴスラヴィア(48年除名)・東ドイツが加盟した。
・1949年には、コメコン(東欧経済相互援助会議)が成立し、ソ連・ユーゴスラヴィアを除いた東欧7カ国とモンゴル共和国が加盟した。62年にアルバニア脱退、72年キューバ、78年ベトナムが加盟した。
・1948年、チェコスロヴァキアでクーデターがおこり(チェコ革命)、マーシャル=プランの受け入れをの可否が問われたが、最終的に共産党政権が樹立された。この事件に対し、西側は西ヨーロッパ連合条約(ブリュッセル条約)をむすび、これは後にNATOの発展した。
・1948年6月、アメリカ・イギリス・フランスはドイツの西側管理地区通貨改革をソ連に無断で行ったため、これに反発したソ連がベルリン封鎖を行った。ベルリン封鎖に対し、西側3国は大空輸作戦で西ベルリンへ物資を届けた。
ドイツの復興
・連合国に占領されたドイツでは、1949年5月にドイツ連邦共和国(西ドイツ)が成立し、10月にはドイツ民主共和国(東ドイツ)が成立し東西に分断された。
・ボンを首都とした西ドイツでは、キリスト教民主同盟のアデナウアーが首相となり、急速に経済復興を遂げた。1954年のパリ協定で西ドイツの主権が回復し、NATO加盟や再軍備が認められ、その後西ヨーロッパ連合条約(ブリュッセル条約)へも加盟した。1955年には、ソ連と国交を回復した。
・ベルリンを首都とした東ドイツでは、社会主義統一党(SED)が一党独裁体制を成立させ、政権を独占した。1955年、オーストリア国家条約がイギリス・アメリカ・フランス・ソ連の間で調印され、4カ国共同管理の解消とオーストリアが永世中立国として独立した。
・1955年5月には、東側の軍事同盟としてワルシャワ条約機構(東欧8カ国有効相互援助条約)が調印された。加盟国は、ソ連・ポーランド・東ドイツ・チェコスロヴァキア・ハンガリー・ルーマニア・ブルガリア・アルバニアであった。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
戦後の国際秩序の成立(国際連合の発足、ニュルンベルク裁判、東京裁判など) 受験対策問題 104
>
アジアの自立と分断(カイロ宣言、インドシナ戦争、インド独立など) 受験対策問題 106
>
ベトナム・インドネシア・フィリピン ~東南アジア諸国の独立~
>
アジアの自立と分断(カイロ宣言、インドシナ戦争、インド独立など) 受験対策問題 106
>
戦後の国際秩序の成立(国際連合の発足、ニュルンベルク裁判、東京裁判など) 受験対策問題 104
>
デイリーランキング
注目テキスト
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他