manapedia
更新日時:
蜻蛉日記原文全集「かくてその日をひまにて」
著作名: 古典愛好家
8,212 views
蜻蛉日記

かくてその日をひまにて

かくてその日をひまにて、又物忌みになりぬと聞く。

あくる日、こなたふたがりたる。

又の日、今日をまた見んかしと思ふ心こりずまなるに、夜ふけて見えられたり。ひとよのことどもしかしかと言ひて、

「こよひだにとていそぎつるを、忌違(いみたが)へにみな人ものしつるを、出だしたててやがて見捨ててなん」


など、罪もなくさりげもなく言ふ。いふかひもなし。明くれば、

「しらぬところにものしつる人々いかにとてなん」


とて、いそぎぬ。それよりのちも、七八日になりぬ。

           


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。