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清の統一(女真族・ヌルハチ・康煕帝・雍正帝・乾隆帝など) 受験対策問題 52 |
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著作名:
レキシントン
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※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
・中国東北地方には、ツングース系の女真族が住んでいたが、ヌルハチが民族を統一し、1616年後金国を建国した。ヌルハチは軍事・行政・社会組織の八旗を編成し、満州文字をつくり統一を進めていった。
・1626年にヌルハチが死去すると、その子ホンタイジが太宗として即位した。即位後、ホンタイジは内モンゴルのチャハル部を平定し、元の皇室の玉璽を手に入れると、1636年新たに国号を清に定めた。当初清は明に朝貢していたが、1636年に李氏朝鮮、1637年にモンゴルを平定し、勢力を拡大していった。
・太宗は六部や監察機関の都察院、藩部を統括する理藩院を設置し、女真族からなる満州八旗、モンゴル人や漢人からなる蒙古八旗、漢軍八旗などを組織した。
・明末の反乱軍の指導者李自成が1644年に北京に入城すると、明朝17代皇帝崇禎帝は自殺し、明は滅亡した。
・明の滅亡後、明の武将呉三桂は清軍に投降し、山海関を開いた。清は中国に侵入し、ホンタイジの後を継いだ順治帝は北京に遷都し、中国統一を進めていった。呉三桂以外にも、尚可喜、耿継茂ら武将が投降した。彼らはその後清軍とともに李自成を破り、清の統一に大きな貢献をした。その後呉三桂は雲南、尚可喜は広東、耿継茂は福建に封ぜられ、三藩と呼ばれる一大勢力となった。
・第4代康煕帝(在位1661〜1722)の治世では、三藩の勢力を削ぐ政策が行われたため、これに反抗した各地の藩王が三藩の乱を起こしたが、まもなく清によって平定された。また、明の滅亡後、鄭成功という武将が明の復活をもとめ清への対抗を行った。彼はオランダの支配下にあったゼーランティア城を攻略し、台湾を拠点に反清運動を続けたが、のちに鄭一族は清に滅ぼされ、清は中国史上初めて台湾を領土とし、中国統一を果たした。鄭成功は国性爺と呼ばれ、日本の近松門左衛門の浄瑠璃『国性爺合戦』にも登場する。
・康煕帝は、その他にも南下したロシアのピョートル1世と1689年ネルチンスク条約を結び、アルグン川と外興安嶺を境界とする国境を取り決めた。
・康煕帝の次に即位した雍正帝(在位1722〜1735)は、軍機処の設立や1724年のキリスト教布教禁止令、1727年にロシアとキャフタ条約を結ぶなど、清の発展に大きく貢献した。
・雍正帝に続く乾隆帝(在位1735〜1795)は、四書全書の編集、禁書・文字の獄などを行い、外征ではジュンガル部や回部を討伐し、清の最大版図を実現した。ジュンガルやタリム盆地は新たに新疆と呼ばれるようになった。
・清は明代に成立した諸制度を踏襲した。雍正帝の時代に軍機処が作られ、内閣をこえて最高決定機関となった。また、順治帝以降は、緑営という常備軍が組織された。
・科挙制度も踏襲されたが、学校が科挙受験のためだけの場所と化し、清朝末期の1905年に廃止された。また、六部など主要な役職は[red満漢併用制]で漢人も同数任命し、漢人男性には服従の印として、辮髪を強制した。
・清代には商業が盛んになり、各地に公所や会館が作られ、山西商人・新安商人が活躍し、海外には多くの華僑が進出した。海上交易は1684年に海禁が解除され、海関という税関が各地に設けられた。交易活動に従事する公行という特権商人組合ができ、広東十三行と呼ばれた。
・税制は、一条鞭法にかわり地丁銀となり、地銀や丁銀が課せられた。税徴収に対しては抗糧がおこり、奴変・民変も相次いだ。1796年から1804年には白蓮教徒の乱がおき、清朝の衰退が進んだ。
・文化面では、満州文字、『康煕字典』、『古今図書集成』、『大義覚明録』、『四庫全書』などが作られた。
・儒学の経書を明らかにする考証学が盛んとなり、『明夷待訪録』を著した黄宗羲や『日知録』を著した顧炎武が活躍した。代表的な考証学者は閻若璩・恵棟・銭大昕・戴震・段玉裁・王念孫・王引之などである。また、清に仕えなかった王夫之なども『通読鑑論』を著した。この他にも、『春秋』の公羊伝を正統とする公羊学も生まれた。
・清代には、『紅楼夢』、『儒林外史』、『聊斎志異』などの小説、『長生殿伝奇』、『桃花扇伝奇』などの戯曲が書かれた。また、石濤や八大山人などの画家も優れた絵画を遺した。
・永楽帝が北京に築城した紫禁城はその後も政治の中枢と皇帝の住居となった。
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