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ゲルマンの大移動と西ヨーロッパの成立(フン族、ゲルマン諸民族、西ローマ滅亡など) 受験対策問題 38 |
著作名:
レキシントン
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西ヨーロッパの成立で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
ゲルマン民族の大移動
・ユーラシア大陸のウラル山脈より西の地域をヨーロッパといい、大きく分けて西ヨーロッパ・東ヨーロッパ・地中海地方の3つの地域に分けられる。
・ヨーロッパに住んでいたのは、主にインド=ヨーロッパ系の民族であった。中世以降になると、西ヨーロッパのゲルマン系民族、東ヨーロッパのスラヴ系民族、地中海地方のラテン系民族という分布になっていく。
・古代ヨーロッパと中世ヨーロッパをわける出来事がゲルマン民族の大移動である。ゲルマン人とはインド=ヨーロッパ系の人々で、紀元前1000年頃にスカンディナヴィア半島南部、ユトランド半島、北ドイツに住んでいた。彼らは先住民のケルト人を征服後、紀元前1世紀以降にはローマと接触し、ローマ帝国の中期以降コロヌスや傭兵として帝国内に流入した。こうした大移動前のゲルマン社会を原始ゲルマン(古ゲルマン)社会といい、カエサルの著書『ガリア戦記』や、タキトゥスの『ゲルマニア』などにその様子が描かれている。
・原始ゲルマン社会は、さまざまなキヴィタス(部族集団)にわかれ、最高機関として民会が設置された。次第に人口が増加し、耕地が不足したため、ローマ帝国領内に侵入していった。紀元後9年にはトイトブルクの戦いでローマ帝国軍を破った。
・50あまりあったキヴィタス(部族集団)は、時とともに10前後のシュタム(大部族集団)に統合されていった。シュタムには、ブルグント族・東ゴート族・西ゴート族・ヴァンダル族・ロンバルド族などの東ゲルマンと、フランク族・アングロ=サクソン族などの西ゲルマンがあった。
・人口増大による耕地不足と、アジア系騎馬民族フン族の圧迫をきっかけにし、375年、西ゴート族が南下を開始し、ゲルマン民族はヨーロッパ西南部に大移動をはじめた。同時期、ローマ帝国も衰退しはじめ、395年にはローマは東西に分裂した。フン族はアッティラ大王のもと勢力を拡大したが、西ローマ・西ゴート・ブルグント・フランクの連合軍が451年カタラウヌムの戦いでこれを破り、その後イタリアに侵入したアッティラはローマ教皇レオ1世に説得され撤退した。アッティラの死後、フン族は滅亡した。こうした混乱の中、西ローマ帝国も476年にアウグストゥルス帝がゲルマン人傭兵隊長のオドアケルによって廃位され、滅亡した。
ゲルマン人の国家
■東ゴート王国(493~555)
西ローマ滅亡後建国されたオドアケルの王国を、東ゴート人の王テオドリックが倒してイタリアに建国した。都ラヴェンナを中心に栄えたが、最終的に東ローマ帝国のユスティニアヌス帝に滅ぼされた。
■西ゴート王国(415~711)
ガリア南部に建国されたが、フランク族に敗れイベリア半島のトレドに遷都した。711年にウマイヤ朝イスラーム軍に滅ぼされた。
■ヴァンダル王国(429~534)
429年ガイゼリック王が北アフリカのカルタゴの故地に建国。ローマ系住民を抑圧したため衰退し、最終的に東ローマ帝国に滅ぼされた。
■ブルグント王国(443~534)
フン族に敗れたブルグント族が、ガリア東南部に建国。最終的にフランク王国に滅ぼされるが、現在のフランスブルゴーニュ地方にその名が残る。
■フランク王国(5世紀~9世紀)
フランク族メロヴィング家出身のクローヴィスが建国。西ヨーロッパの大部分を支配し、後に分裂しフランス・ドイツ・イタリアの原形となった。
■ランゴバルト王国(568~774)
ランゴバルト族が北イタリアに建国したゲルマン国家。ロンバルド王国ともいい、フランク王国のカール大帝に滅ぼされた。北イタリアのロンバルディア地方の由来となる。
■ヘプターキー(七王国)
アングロ=サクソン族が、ブリタニア(イングランド)に建国した7つの王国のこと。その中の一国ウェセックス王が829年に七王国を統一し、最初のイギリス王国を建国した。
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