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枕草子 原文全集「もののあはれ知らせ顔なるもの/さてその左衛門の陣などに」 |
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著作名:
古典愛好家
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もののあはれ知らせ顔なるもの。
はな垂り、間もなうかみつつものいふ声。
眉抜く。
さてその左衛門の陣などにいきて後、里に出てしばしある程に、
「とくまゐりね」
などある仰せ事のはしに、
「左衛門の陣へいきしうしろなむつねに思召(おぼしめし)出らるる。いかでか、さ、つれなくうちふりてありしならむ。いみじうめでたからむとこそ、おもひたりしか」
など仰せられたる御返に、かしこまりのよし申して、私には、
「いかでかはめでたしと思ひ侍らざらん。御まへにも、『なかなるおとめ』とは御覧じおはしけむとなむ思たまへし」
と、聞こえさせたれば、たちかへり、
「いみじく思へなる仲忠がおもてぶせなる事は、いかで敬したるぞ。ただ今宵のうちに、よろづの事をすててまゐれ。さらずはいみじうにくませ給はん」
となん仰せ事あれば、よろしからむにてだにゆゆし。まいていみじうとある文字には、命も身もさながらすててなむ、とてまゐりにき。
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