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東アジア文化圏と冊封体制(チベット、アンコール朝、高句麗、新羅、百済、日本など) 受験対策問題 26 |
著作名:
レキシントン
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東アジア文化圏と冊封体制で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
東アジア文化圏
・中国、特に唐代に発達した漢字や儒教・仏教などの文化は、朝鮮半島や日本、ベトナム北部に多大な影響を及ぼした。この広大な文化圏を東アジア文化圏という。
・中国は、漢代以降周辺諸国と朝貢を元にした形式的な君臣関係を結び、さらに交易のみを望む国には朝貢形式をとり、国際秩序を形成していった。これを冊封体制といい、長らく中国の周辺諸国に対する優位性は揺らぐことがなかった。
周辺諸国の状況
・隋や唐の時代、周辺諸国はさまざまな国家が栄えた。
チベット
・チベットには、青海省に鮮卑系の吐谷渾(4~7世紀)が存在したが、635年に唐に服属した後、吐蕃に討たれた。
・7世紀にはソンツェン=ガンポがチベット諸部族を統一し、吐蕃(7~9世紀)を建国した。吐蕃は都ラサを中心に栄え、唐と通交したが、のちに対立し、安史の乱のあと一時的に長安を占領する。9世紀に唐と会盟したが、内紛で衰退する。ソンツェン=ガンポは中国とインドの両文化を取り入れ、グプタ文字をもとにしたチベット文字を作成させた。
・7~8世紀には、チベットに中国やインドから大乗仏教が伝わり、チベット古来のボン教と融合したチベット仏教が成立した。チベット仏教は一時的に廃仏されるが、11世紀に再建され、13世紀以降にチベット大蔵経という経典が完成する。14世紀にツォンカパが黄帽派を確立し、それ以前の宗派を紅帽派と呼ぶ。
雲南・東南アジア
・雲南の地域には、チベット=ビルマ系ロロ族の南詔(?~902)が成立した。南詔は唐と吐蕃の間で繁栄し、唐の文化や仏教を受容し、漢字を公用化した。10世紀はじめ滅亡する。
・南詔のあと、雲南には白蛮系の大理国(937~1254)が建国され、宋に朝貢したが、最後はフビライ=ハンに滅ぼされた。
・カンボジアには、6世紀にクメール人の国家真臘が建国された。真臘は7世紀に扶南を併合、8世紀に北部の陸真臘と南部の水真臘に分裂する。9世紀にはアンコール=ワットを造営したアンコール朝が出て再統一され、唐に朝貢した。
・ベトナム南部には、チャム人の国家チャンパー(2世紀末~17世紀)が栄えた。チャンパーは中国名で林邑と呼ばれ、隋に反抗ののち、唐に朝貢した。
・スマトラ島東部にはシュリーヴィジャヤ王国(7~14世紀)が栄え唐に朝貢した。シュリーヴィジャヤ王国には、唐僧義浄が帰りに立ち寄り、『南海寄帰内法伝』を著した。
朝鮮
・朝鮮には、ツングース系貊族によって建てられた高句麗、馬韓統一後建国された百済、辰韓統一後建国された新羅の三国が鼎立していた。
・7世紀に入ると、唐と新羅が同盟し、高句麗・百済を滅ぼした。新羅はその後、676年に唐の勢力を一掃し、朝鮮半島を統一した。その後唐の冊封をうけ、仏教や律令体制を受容した。新羅では都慶州(旧名金城)を中心に仏国寺や石窟庵など仏教文化が栄えた。また骨品制という身分制度を制定した。最終的に高麗に滅ぼされた。
・高句麗滅亡後、大祚栄により渤海国が建国された。渤海国は都上京竜泉府を中心に唐の文化を積極的に受容し、仏教も盛んになり、「海東の盛国」と称された。10世紀前半に耶律阿保機率いる契丹に滅ぼされた。
日本
・日本は6世紀末から7世紀にかけて、飛鳥時代を迎えた。聖徳太子が推古天皇の摂政として活躍し、百済からもたらされた仏教文化をもとに、寺院建造、遣隋使派遣、憲法十七条の制定などをおこなった。また、607年には遣隋使として派遣された小野妹子が、隋の皇帝煬帝に対し、対等な立場を示した。その後唐の時代にも遣唐使が派遣され、唐の文化を積極的に輸入した。
・645年には、中大兄皇子、中臣鎌足らが中心となり、天皇中心の中央集権体制を目指す大化の改新がおこった。大化の改新により、公地公民制、班田収授法、租庸調制などが定められ、701年の大宝律令制定により律令国家体制が確立した。
・663年には、滅亡した百済を救済するため、日本から水軍が派遣され、白村江の戦いが行われたが、唐・新羅の水軍に完敗し、以後日本は朝鮮半島の勢力を失った。
・大化の改新から平城京遷都までの文化を白鳳文化という。
・710年から784年まで、日本は都が奈良に置かれた奈良時代を迎えた。その後長岡京をへて平安時代へ移行した。奈良時代には、律令国家体制が整備され、天平文化が栄え、国際的な貴族文化が盛んとなった。
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