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化学基礎 塩(エン)とは?~酸塩基反応の反応式の作り方~
著作名: 藤山不二雄
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「しお」ではないです!「えん」です!!

酸と塩基が反応をすると水と塩(エン)が生成されます。
まずはこの塩(エン)についてみていきましょう。

塩(エン)とは

酸と塩基が出会うと、酸の 「H⁺」 と 塩基の 「OH⁻」 がくっついて H₂O (水)ができます。
この反応が起こったとき、酸の陰イオンと塩基の陽イオンが残りますが、これがくっついたものが塩(えん)です。

塩酸と水酸化ナトリウムの例

塩酸と水酸化ナトリウムを組み合わせると、以下のような反応を示します。
HCl+NaOH→NaCl+H₂O

酸の H⁺ と 塩基の OH⁻ とでH₂Oを生成した残りもので、NaClが生成されますね。
このNaClのように 酸の陰イオンと塩基の陽イオンがくっついたものを塩(エン)と言います。そして酸と塩基の反応のことを 酸塩基反応と言います。
酸の陰イオンと塩基の陽イオンがくっついたものを塩(エン)と言う。


実験で「しお」のことを食塩と言うのは、このエンと区別するためだったんですね。

問題

では実際に問題を解いてみましょう。
次の酸塩基反応の化学反応式を書きなさい
(1)硫酸と水酸化バリウム
(2)塩酸とアンモニア


(1)硫酸と水酸化バリウム

反応式は、

H₂SO₄ + Ba(OH)₂BaSO₄ + 2H₂O

となり、生成される塩は硫酸バリウムになります。
これは問題ないですね。続けてもう1問いきましょう。

(2)塩酸とアンモニア

塩酸はHClでアンモニアはNH3と。。。
あれ、ちょっと待ってください。酸塩基反応って酸と塩基が反応して水と塩を作るんでしたよね?でもアンモニアには塩基(OH)がない。。。では、この反応は成り立たないが答えでしょうか?

いいえ。実は アンモニアだけは特別なんです。

化学反応式は

HCl + NH₃NH₄Cl

となり塩化アンモニウムが生成されます。
本来なら酸のH⁺ と 塩基の OH⁻が反応をして水を生成するのですが、アンモニアにはOH⁻がないので、NH3自身がH+を受け取ってアンモニウムイオンNH⁴⁺となり、それが残りの陰イオンとくっついて塩を生成するんです。
例外はこのアンモニアのみですので、ここは別途覚えておきましょう



今回はここまでにしましょう。
次回は塩の分類についてお話します。

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