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統領政府とナポレオンの登場(エジプト遠征、ナポレオン時代、アミアンの和約など) 受験対策問題 68 |
著作名:
レキシントン
23,865 views |
統領政府とナポレオンで押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
1795年憲法と総裁政府
・1795年8月に、1795年憲法(共和国第3憲法)が制定され、総裁政府(1795年10月〜1799年11月)というブルジョワ共和政府が成立した。独裁政権によって行われた恐怖政治になることを恐れ、総裁政府は5人の総裁に権限を分散させた。この時期、バブーフなどの革命家が秘密結社を組織し武装蜂起を企てるなど、政権は不安定な状態が続いた。
・新憲法の選挙前には、王党派の反乱が起こったが、これを鎮圧したのが若きナポレオンであった。
ナポレオンの登場
・コルシカ島出身のナポレオン=ボナパルトは、フランス革命中ジャコバン派を支持し、1793年に王党派とイギリス海軍からトゥーロン軍港を奪還するなど功績をあげたが、テルミドールの反動で一時投獄された。その後、1795年に王党派の反乱を鎮圧し、1796年にはイタリア遠征司令官に任命された。
・ナポレオンは遠征軍の司令官として各地に軍事遠征を行い、1796年〜1797年にかけてイタリア遠征を行った。フランス軍はロンバルディア平原でオーストリア・イタリア両軍を破り、カンポ=フォルミオの和約を締結することに成功した。このイタリア遠征により、第1回対仏大同盟は崩壊した。
・イタリア遠征に成功したナポレオンは、1798年〜1799年にエジプト遠征を行った。この目的はイギリスとインドの連絡路を断つことであった。陸上では勝利したものの、アブキール湾の戦いでイギリス海軍にフランス軍は敗れ、ナポレオンは本国情勢の悪化を受けて帰国し、残留フランス軍はイギリスに降伏した。この遠征はフランスの敗北に終わったが、フランスの革命の思想やナショナリズムが西アジアに広がる契機となった。また、イギリスはこのフランスの動きを受けて、第2回対仏大同盟(1799〜1802)をロシア・オーストリアなどと結んだ。
クーデターとナポレオン時代のはじまり
・1799年11月9日(革命暦霧月18日)、エジプト遠征から帰国したナポレオンは、不安定な総裁政府をブリュメール18日のクーデターで倒した。総裁政府は打倒され、代わりに統領(失政)政府が成立した。統領政府は、3人の統領による共和制だったが、実態は第一統領のナポレオンによる軍事独裁であった。第一統領は行政権・戦線講和権・陸海軍統帥権などをもった事実上の独裁官で、任期10年でナポレオンが就任した。統領政府は産業ブルジョワジーと革命によって土地を獲得した小農民層が支持基盤であった。1799年から1815年まで、ナポレオンが独裁政治をおこなった時代を、ナポレオン時代という。
・第一統領となったナポレオンはフランス銀行の設立・ローマ教皇との宗教協約(コンコルダート)・ナポレオン法典の制定・アミアンの和約など、多くの政策を成功させた。特にアミアンの和約(1802年)はフランスの軍事優位ににより、英仏間で締結された休戦条約で、相互の占領地を返還することが決まった。この結果第2回対仏大同盟が解消されたため、ナポレオンの人気が更に高まった。1802年8月、アミアンの和約の成功を背景に、国民投票により、ナポレオンは終身統領に就任した。
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