ホモ=ハビリスとは
ヒト属の一種、ホモ=ハビリスは、約230万年前から165万年前まで東アフリカと南アフリカに生息していました。彼らはその名前の通り、器用な人々で、石器を作成し、利用する能力を持っていました。ホモ=ハビリスは、現在知られている中では最も古いヒト属の種の一つであり、アウストラロピテクス属から分岐したと考えられています。
脳容量の進化
ホモ=ハビリスの特徴の一つは、アウストラロピテクスよりも大きな脳容量を持っていたことです。その脳容量は
現代人の約半分に相当します。顔は平らで、顎は突き出し、歯は小さかったとされます。身体的な特徴として、身長は100~150cm、体重は20~40kgほどと推定されています。腕は長く、手は器用でしたが、足は短く、歩行は不安定だったと考えられています。そのため、木に登って生活することもあったとされています。
食生活と道具の使用
ホモ=ハビリスの生活は、主に植物や果物を食べる草食性だったと思われますが、肉も食べていた可能性があります。ただし、肉を狩るのではなく、他の動物が残した死骸を漁ることが多かったと考えられています。その際には石器を駆使して肉を切り離し、骨を割って髄を摂取していました。彼らの石器はオルドワン文化として知られ、火山岩や石英などの石を打ち砕いて作成された剥片や核から成り立っていました。
ホモ=ハビリスの社会性については、あまり詳しくわかっていませんが、おそらく他の霊長類と同様に群れで生活していたと思われます。性的二形(オスとメスの体格や外見の違い)が存在したかどうかは不明ですが、もし存在した場合、オスがメスよりも大きく強かったと考えられます。また、言語能力や文化的な要素についても議論されていますが、確たる証拠はまだ見つかっていません。
ホモ・ハビリスの化石発見
1960年から1963年にかけて、タンザニアのオルドバイ渓谷で、ルイス・リーキーとメアリー・リーキーらのチームによって、ホモ・ハビリスの最初の化石が発見されました。その後、東アフリカと南アフリカの地域、特に
ケニア、エチオピア、南アフリカにおいて、多くのホモ=ハビリスの化石が発掘されました。特にケニアのトゥルカナ湖周辺では、重要な化石が集中的に見つかりました。ホモ・ハビリスはアフリカ大陸にとどまり、その他の地域では化石が見つかっていませんでした。