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論語 学而第一 15~16 |
著作名:
春樹
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孔子の人生と論語
孔子は、紀元前552年に魯国で生まれました。彼は幼少期から周公旦(しゅうこうたん)の礼儀作法を学び、周王朝の復古を志しました。しかし、当時の魯国は三桓氏(さんこんし)という寡頭政治によって支配されており、孔子は政治参加が難しかったとされています。そこで彼は30歳前後から弟子を受け入れ、儒教(じゅきょう)として知られる思想体系を構築しました。儒教は、仁(ひとを思いやる心)、義(正義)、礼(人間関係の秩序)、智(道徳的判断力)、信(誠実さ)などの五つの美徳を基本としました。また、孔子は詩・書・礼・楽・易・春秋という六経(りっきょう)を経典として高く評価しました。
孔子の政治的挑戦と教えの普及
紀元前501年、孔子は魯国の大司寇(最高裁判官)に任命されましたが、紀元前496年に魯国が斉国に敗れると失脚しました。その後、孔子は弟子たちと共に他国を巡りましたが、どこでも政治的地位を確立することはありませんでした。紀元前484年に魯国に戻り、弟子たちに教えを説き続けました。そして紀元前479年、孔子は74歳で亡くなりました。
孔子の教えの継承と影響
孔子の教えは弟子たちや後継者によって引き継がれ、その思想は『論語』としてまとめられました。『論語』は孔子の言行録であり、儒教の基本的な思想が記されています。この中には「温故知新」や「己欲せざれば人に施す勿れ」、「知之者不如好之者、好之者不如楽之者」などの有名な格言が含まれています。『論語』は中国や日本を含む東アジアの文化圏で幅広く読まれ、道徳観や教育観などに大きな影響を与えました。
孔子の教えと他の思想との対立
孔子の教えは戦国時代から漢代にかけて、諸子百家と呼ばれる様々な思想家たちと競合しました。法家や道家などは儒教を批判し、時には弾圧されることもありました。しかし、前漢の武帝の時代に、儒者の董仲舒が儒教を正統の学問として支持し、五経博士という官職を設ける提案をしました。これにより、儒教は国家の支持を受け、後漢では国教とされるまでになりました。
後継者と新たな展開
唐代には仏教が広く信仰され、儒教の影響は一時的に後退しました。しかし、宋代には朱熹(しゅき)が宋明理学と呼ばれる新しい儒教体系を築きました。朱熹は四書(論語・大学・中庸・孟子)を儒教の基本経典と位置づけ、格物致知(物事の本質を理解し知識を得る方法)を提唱しました。彼の儒教は科挙や政治にも影響を及ぼし、明清代にも受け継がれました。
孔子の教えは、その生涯と思想が東アジア文化圏に大きな影響を与えました。彼の教えは現代でもなお尊重され、その思想は多くの人々によって受け継がれています。
このテキストでは、そんな論語から、学而第一 15~16を解説します。
論語 学而第一 15~16【原文】
15:子貢曰。貧而無諂。富而無驕。何如。子曰。可也。未若貧而樂。富而好禮者也。子貢曰。詩云。如切如磋。如琢如磨。其斯之謂與。子曰。賜也。始可與言詩已矣。告諸往而知來者也。
16:子曰、不患人之不己知、患己不知人也。
【書き下し文】
15:子貢曰く、『貧しくして諂う(へつらう)ことなく、富みて驕ることなきは何如。』
子曰く、『可なり。未だ貧しくして道を楽しみ、富みて礼を好むものに若かざるなり。』
子貢曰く、『詩に云う。「切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し」と。それ斯れを謂うか。』
子曰く、『賜や始めて与に(ともに)詩を言うべきなり。諸(これ)に往(おう)を告げて来を知るものなり。』
16:子曰く、『人の己を知らざるを患えず(うれえず)、人を知らざるを患うるなり。』
【現代語訳】
15:子貢は孔子に質問をしました。
子貢:「貧しくてもへつらうことがなく、豊になってもおごることがないのはいかがでしょうか?」
孔子は答えます。
孔子:「良いと思う。しかし、貧しくても学問を好み、豊でも礼を全うする人には及ばないと思うよ。』
子貢はさらに質問します。
子貢:「詩経に、『切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し』と書いているのは、まさにこのことを言っているのでしょうか?」
孔子は答えます。
孔子:「子貢よ、それでこそ詩について語り合えるというものだよ。お前は一を聞いて十を理解する男だなぁ」
16:孔子はおっしゃいました。「人が自分を認めてくれないことを心配するのではなく、自分が人を認めようとしないことの方を心配しなさい。」と
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