|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
世界恐慌の原因と対策 ② ~イギリスやフランスの対策とブロック経済~ |
著作名:
エンリケ航海王子
65,004 views |
マクドナルド挙国一致内閣
1931年、イギリスでは世界恐慌の影響で270万人にも及ぶ失業者が出ていました。
時の首相、マクドナルドは、増え続ける失業者に支払う失業保険が莫大な金額になったので、これを削減しようとしました。しかし、首相が党首を務めた与党の労働党がこれに猛反発し、内閣は倒れました。
(イギリス首相 ラムゼイ=マクドナルド)
マクドナルドは、新たに挙国一致内閣を組閣し、保守党、自由党と共に、経済危機を克服する政策に乗り出します。
挙国一致内閣とは、一国の危機に対処するために、対立する党も含んだ政策を実行するための内閣です。大連立や協力内閣とも言います。
ブロック経済の確立
まず、政府は金本位制を停止しました。
金本位制というのは、国家が通貨を金といつでも交換できると保証した金融制度でしたが、イギリスはこの時期、国内の金が貿易収支の悪化により国外へ流失したことから、この制度を維持できなくなったのです。
次に、挙国一致内閣の一角を占めた保守党の意見を聞き入れ、保護関税政策を実施します。
保護関税政策は、海外からの輸入品に高い関税をかけることによって、国内産業を保護・育成していくために行われるものです。
同時に、カナダやオーストラリアなど、世界に広がるイギリス連邦の地域と共に、オタワ会議を開きます。
この会議は別名イギリス連邦経済会議とも言われ、イギリスと連邦を構成する地域との間に特恵関税を設けることによって、外国商品が連邦内に入ることを防ぐことを目的としました。
特恵関税とは、各国の取り決めの中で、特定の国々が、相互の輸出品に低関税率の設定や関税そのものをゼロにすることによって、域内の貿易を優遇するものです。
このような関税ブロックによる保護政策をブロック経済と言います。
広大な植民地を持つイギリスやフランスは、ブロック経済を次第に強化して行きました。
一方、この経済圏から締め出されたドイツやイタリア、日本は、次第に世界経済から置き去りにされます。
このような状況が、これらの国々が自分たちのブロック経済を確立するための侵略戦争への政策転換を導くようになるのです。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
世界恐慌の原因と対策 ~フーヴァーモラトリアムとローズヴェルトのニューディール政策~
>
ファシズム諸国と侵略(ヒトラーとナチスの躍進、スペイン内戦など) 受験対策問題 102
>
世界恐慌の原因と対策 ~フーヴァーモラトリアムとローズヴェルトのニューディール政策~
>
世界恐慌(暗黒の木曜日、ニューディール政策、ブロック経済など) 受験対策問題 100
>
1920年代のアメリカ経済(債務国から債権国への転換と世界恐慌)
>
最近見たテキスト
世界恐慌の原因と対策 ② ~イギリスやフランスの対策とブロック経済~
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
世界史
- 先史時代
- 先史時代
- 西アジア・地中海世界の形成
- 古代オリエント世界
- ギリシア世界
- ヘレニズム世界
- ローマ帝国
- キリスト教の成立と発展
- アジア・アメリカの古代文明
- イラン文明
- インドの古代文明
- 東南アジアの諸文明
- 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)
- 古代の南北アメリカ文明
- 東アジア世界の形成と発展
- 北方民族の活動と中国の分裂(魏晋南北朝時代)
- 東アジア文化圏の形成(隋・唐帝国と諸地域)
- 東アジア諸地域の自立化(東アジア、契丹・女真、宋の興亡)
- 内陸アジア世界の形成
- 遊牧民とオアシス民の活動
- トルコ化とイスラーム化の進展
- モンゴル民族の発展
- イスラーム世界の形成と拡大
- イスラーム帝国の成立
- イスラーム世界の発展
- インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
- イスラーム文明の発展
- ヨーロッパ世界の形成と変動
- 西ヨーロッパ世界の成立
- 東ヨーロッパ世界の成立
- 西ヨーロッパ中世世界の変容
- 西ヨーロッパの中世文化
- 諸地域世界の交流
- 陸と海のネットワーク
- 海の道の発展
- アジア諸地域世界の繁栄と成熟
- 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)
- 清代の中国と隣接諸地域(清朝と諸地域)
- トルコ・イラン世界の展開
- ムガル帝国の興隆と衰退
- ヨーロッパの拡大と大西洋世界
- 大航海時代
- ルネサンス
- 宗教改革
- 主権国家体制の成立
- 重商主義と啓蒙専制主義
- ヨーロッパ諸国の海外進出
- 17~18世紀のヨーロッパ文化
- ヨーロッパ・アメリカの変革と国民形成
- イギリス革命
- 産業革命
- アメリカ独立革命
- フランス革命
- ウィーン体制
- ヨーロッパの再編(クリミア戦争以後の対立と再編)
- アメリカ合衆国の発展
- 19世紀欧米の文化
- 世界市場の形成とアジア諸国
- ヨーロッパ諸国の植民地化の動き
- オスマン帝国
- 清朝
- ムガル帝国
- 東南アジアの植民地化
- 東アジアの対応
- 帝国主義と世界の変容
- 帝国主義と列強の展開
- 世界分割と列強対立
- アジア諸国の改革と民族運動(辛亥革命、インド、東南アジア、西アジアにおける民族運動)
- 二つの大戦と世界
- 第一次世界大戦とロシア革命
- ヴェルサイユ体制下の欧米諸国
- アジア・アフリカ民族主義の進展
- 世界恐慌とファシズム諸国の侵略
- 第二次世界大戦
- 米ソ冷戦と第三勢力
- 東西対立の始まりとアジア諸地域の自立
- 冷戦構造と日本・ヨーロッパの復興
- 第三世界の自立と危機
- 米・ソ両大国の動揺と国際経済の危機
- 冷戦の終結と地球社会の到来
- 冷戦の解消と世界の多極化
- 社会主義世界の解体と変容
- 第三世界の多元化と地域紛争
- 現代文明
- 国際対立と国際協調
- 国際対立と国際協調
- 科学技術の発達と現代文明
- 科学技術の発展と現代文明
- これからの世界と日本
- これからの世界と日本
- その他
- その他