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アイスランドとは わかりやすい世界史用語1440 |
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著作名:
ピアソラ
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アイスランドとは
アイスランドの歴史は、その独特な地理的環境と文化的背景によって非常に特異なものとなっており、古代から現代に至るまで幾多の変遷を遂げてきました。約2000万年前、火山活動によって形成が始まり、現在も北アメリカとユーラシアのプレートが交差する大西洋中央海嶺に位置しています。この火山活動は現在も続いており、アイスランドは世界でも有数の活発な火山地帯の一つです。
初期の入植とアルシングの設立
アイスランドの記録に残る歴史は、9世紀後半、ノルウェー人による探検と入植に端を発します。最初の恒久的な定住者はインゴルフル・アルナルソンとされ、彼は874年頃に現在のレイキャビクに居を構えたと伝えられています。「レイキャビク」という地名は「煙の湾」を意味し、これは地熱による蒸気が地面から立ち上る様子に由来するとされています。定住期は930年頃まで続き、ノルウェーやスカンジナビアの他の地域からノース人が次々と移住し、彼らの文化と言語を持ち込みました。
930年には、アイスランドにおいて世界で最も古い議会の一つであるアルシングが設立されました。この議会は毎年シンクヴェトリルで開催され、各地の首長たちが集まり、中央集権的な統治機関を持たずに法律を制定し、紛争を解決する場となっていました。当時のアイスランド社会は比較的平等で、ゴジと呼ばれる地元の首長たちが権力を持ちましたが、全島を統治する王は存在しませんでした。
キリスト教の導入とストゥルルング時代
1000年頃には、トルゲイル・リョースヴェトニンガゴジの調停により、アイスランドにキリスト教が平和的に導入されました。彼はキリスト教への改宗を推進しつつ、異教の慣習を個人的に続けることを認め、これにより、アイスランド人はノース神話とともにキリスト教の信仰を受け入れるようになり、文化的な転換が起こりました。
13世紀には、首長たちの間で権力争いが激化し、ストゥルルング時代と呼ばれる内紛が生じました。この時期は、1262年にアイスランドがノルウェーの属国となることで終焉を迎えました。その後、ノルウェーがデンマークと同盟を結び、14世紀後半にはアイスランドはデンマークの支配下に入ることとなりました。
デンマーク支配と独立への動き
デンマークの影響は16世紀の宗教改革期に特に強まり、ルター派がカトリック教徒の多いアイスランドに広がりました。同時に、火山の噴火や厳しい気候による飢饉など、自然災害が相次ぎ、経済的困難も増大しました。
19世紀に入ると、ヨーロッパで高まるナショナリズムの波を受け、アイスランドでも独立への機運が高まりました。一度1799年に停止されたアルシングは、1844年に再開されました。そして、第一次世界大戦後の1918年12月1日、アイスランドはデンマークとの個人連合の下で主権国家となりましたが、1944年6月17日に行われた国民投票により独立が支持され、アイスランドは共和国として独立を宣言しました。
このように、アイスランドの歴史はヴァイキングの定住から外国支配、そして現代の独立と発展に至るまで、多様な経験と変革の積み重ねによって形作られています。
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