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オケオとは わかりやすい世界史用語840
著作名: ピアソラ
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オケオとは

オケオは、現在のベトナム南部、アンザン省トアイソン地区に位置する古代の港町であり、扶南王国の重要な交易拠点でした。扶南王国は、紀元前2世紀から12世紀にかけてメコンデルタ地域で栄えた王国であり、オケオはその中心的な役割を果たしていました。

オケオの地理と構造

オケオは、メコンデルタの低地に広がる古代の運河網の中に位置しており、その運河はオケオをアンコール・ボレイと結んでいました。遺跡は約450ヘクタールにわたり、運河に沿って杭で支えられた家屋が並んでいたと考えられています。また、オケオ文化を反映する考古学的遺物は、ホーチミン市の南西に広がるメコンデルタ地域全体で発見されています。

扶南とオケオの役割

扶南王国は、国際交易と高度な農業に基づく社会であり、オケオはその交易の中心地として機能していました。オケオを通じて、ローマ、インド、中国からの交易品が流入し、地域の経済を支えました。特に、オケオはインド太平洋ビーズ市場の重要な製造拠点であり、金属、真珠、香料などの交易品が取引されていました。

オケオの考古学的発見

オケオの遺跡からは、多くの考古学的遺物が発見されています。陶器、道具類、宝石類、宝石やコインを作るための鋳物類、宗教的な像、また、発掘品の中にはクシャーナ朝ガンダーラの青銅の仏頭、ローマのマルクス・アウレリウス金貨なども出土しています。これらの遺物は、オケオが国際的な交易ネットワークの一部であったことを示しています。

このように、オケオは扶南王国の重要な交易拠点として、古代の国際交易ネットワークの中で重要な役割を果たしていました。遺跡から発見された多くの考古学的遺物は、オケオが高度な技術と文化を持つ社会であったことを示しています。

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