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両税法とは わかりやすい世界史用語715
著作名: ピアソラ
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両税法とは

両税法は、780年に唐の徳宗によって導入された税制改革です。この制度は、唐王朝の財政を安定させるために重要な役割を果たしました。

唐の時代、特に安史の乱(755年-763年)以降、唐王朝は深刻な財政難に直面していました。安史の乱は、唐の中央政府の権威を弱体化させ、地方の軍閥が台頭するきっかけとなりました。この結果、土地税の徴収が困難になり、政府の収入が大幅に減少しました。

両税法の導入

このような状況下で、徳宗は財政改革を断行する必要がありました。彼は有能な財政官である楊炎を登用し、両税法を導入しました。両税法は、従来の人頭税に代わり、土地の所有量に基づいて課税する制度です。この制度では、農民は毎年夏と秋の二回、土地の面積に応じて税を納めることが求められました。



両税法の内容

両税法の主な特徴は以下の通りです:

土地税の導入:従来の人頭税に代わり、土地の面積に基づいて課税する制度が導入されました。これにより、土地を多く所有する者がより多くの税を負担することになりました。
二回の納税:税は毎年夏と秋の二回に分けて徴収されました。これにより、農民の負担が分散され、納税が容易になりました。
税収の安定化:両税法の導入により、政府の税収が安定し、財政の健全化が図られました。

両税法の影響

両税法の導入は、唐王朝の財政に大きな影響を与えました。以下にその主な影響を挙げます:

財政の安定化:両税法により、政府の税収が安定し、財政難が緩和されました。これにより、唐王朝は再び中央集権的な統治を強化することができました。
農民の負担軽減:従来の人頭税に比べ、土地税は農民の負担を軽減しました。特に、土地を持たない貧しい農民にとっては、大きな救済となりました。
経済の活性化:税制の安定化により、農業生産が奨励され、経済が活性化しました。これにより、唐王朝の経済基盤が強化されました。

両税法の評価

両税法は、唐王朝の財政改革として高く評価されています。この制度は、税収の安定化と農民の負担軽減を両立させることに成功し、唐王朝の再建に大きく貢献しました。また、両税法は後の中国の税制にも影響を与え、宋や明などの後続王朝でも類似の税制が採用されました。

両税法は、唐の時代における重要な税制改革であり、その導入は唐王朝の財政を安定させ、経済を活性化させる上で大きな役割を果たしました。この制度は、税収の安定化と農民の負担軽減を両立させることに成功し、唐王朝の再建に大きく貢献しました。

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