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中書省とは わかりやすい世界史用語633 |
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著作名:
ピアソラ
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中書省は、唐代の中国における重要な政府機関の一つであり、三省六部制の中で特に政策立案と勅令の起草を担当していました。この機関は、魏晋南北朝時代を経て、隋唐時代にその役割が確立されました。
中書省の起源は、漢代の武帝(紀元前141年-紀元前87年)の時代に遡ります。当時、尚書と呼ばれる役職が設けられ、文書の処理を担当していました。これが後に中書省の前身となりました。官庁名としての起源は、三国時代の魏に確立されました。魏の文帝(曹丕)は正式に中書省を設立し、中書監と中書令という役職を設けました。この時期、中書省は皇帝に近い位置にあり、勅令の起草を担当する重要な機関となりました。
唐代に入ると、中書省はさらにその重要性を増しました。
中書省の主な役割は以下の通りです:
政策立案:中書省は、国家の政策を立案し、皇帝に提案する役割を担っていました。これには、法律の制定や改正、行政の方針の決定などが含まれます。
勅令の起草:中書省は、皇帝の命令を文書化し、公式な勅令として発布するための起草を行いました。このため、中書省の官僚は高度な文章力と法的知識を求められました。
皇帝への助言:中書省の官僚は、皇帝に対して直接助言を行うことができました。これにより、皇帝の決定に影響を与える重要な役割を果たしました。
中書省は、以下の主要な役職によって構成されていました:
中書令:中書省の長官であり、政策立案や勅令の起草を統括する役割を担っていました。
中書侍郎:中書令を補佐し、具体的な文書の起草や政策の実行を担当しました。
中書舎人:中書省の下級官僚であり、文書の処理や日常業務を担当しました。
唐代の中書省は、その政策立案能力と皇帝への直接的な助言機能により、非常に大きな影響力を持っていました。特に、唐の初期には中書省の官僚が皇帝の信任を得て、国家の重要な決定に関与することが多かったです。しかし、後期になると、地方の軍閥や貴族の力が強まり、中書省の影響力は次第に低下していきました。
中書省の終焉
中書省は、唐代の終わりとともにその役割を終えました。唐の滅亡後、五代十国時代に入り、中書省の機能は他の機関に引き継がれました。しかし、その後の宋代や明代においても、中書省の制度や役割は一部継承され、影響を与え続けました。
中書省は、唐代の中国における重要な政府機関であり、政策立案や勅令の起草を通じて国家の運営に大きな影響を与えました。
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