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古文単語「せんざい/せざい/前栽」の意味・解説【名詞】 |
著作名:
走るメロス
16,155 views |
せんざい/せざい/前栽
このテキストでは、古文単語「せんざい/せざい/前栽」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
庭先に植えた草木、庭木。
[出典]:九月ばかり 枕草子
「九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の、今朝はやみて、朝日いとけざやかにさし出でたるに、前栽の露は、こぼるばかり濡れかかりたるも、いとをかし。」
[訳]:九月ごろ、一晩中明け方まで降り続いた雨が、今朝はやんで、朝日がとても際立って差し始めたときに、庭に植えた草木の露が、こぼれ落ちるほど濡れかかっているのも、とても趣がある。
「九月ばかり、夜一夜降り明かしつる雨の、今朝はやみて、朝日いとけざやかにさし出でたるに、前栽の露は、こぼるばかり濡れかかりたるも、いとをかし。」
[訳]:九月ごろ、一晩中明け方まで降り続いた雨が、今朝はやんで、朝日がとても際立って差し始めたときに、庭に植えた草木の露が、こぼれ落ちるほど濡れかかっているのも、とても趣がある。
■意味2
植え込み、観賞用の草木を植えた庭。
[出典]:筒井筒 伊勢物語
「このもとの女、悪しと思へる気色もなくて、いだしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば...」
[訳]:このもとからの女は(この男の行動を)不快に思う様子もなく、(男を新しい女のもとへと)送り出してやったので、男は、(他の男を思う)浮気心があってこのようにしているのであろうかと疑わしく思って、庭の植え込みの中に隠れて座って、河内へと行ってしまったふりをして見ていると...
「このもとの女、悪しと思へる気色もなくて、いだしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へいぬる顔にて見れば...」
[訳]:このもとからの女は(この男の行動を)不快に思う様子もなく、(男を新しい女のもとへと)送り出してやったので、男は、(他の男を思う)浮気心があってこのようにしているのであろうかと疑わしく思って、庭の植え込みの中に隠れて座って、河内へと行ってしまったふりをして見ていると...
■意味3
野菜、青物。
※「前栽物」の略語で用いられる。
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