このテキストでは、伊勢物語の第５０段『紀有常』（むかし、男ありけり。うらむる人をうらみて〜）の品詞分解を記しています。書籍によって「鳥の子」や「あだくらべ」と題するものがあります。



※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、在原業平がモデルではないかと言われています。

※名詞は省略しています。

むかし、	ー
男	ー
あり	ラ行変格活用「あり」の連用形
けり。	過去の助動詞「けり」の終止形
うらむる	マ行上二段活用「うらむ」の連体形
人	ー
を	格助詞
うらみ	マ行上二段活用「うらむ」の連用形
て、	接続助詞
「鳥	ー
の	格助詞
子	ー
を	格助詞
十	ー
づつ	接続助詞
十	ー
は	系助詞
かさぬ	ナ行下二段活用「かさぬ」の終止形
とも	接続助詞
思は	ハ行四段活用「おもふ」の未然形
ぬ	打消の助動詞「ず」の連体形
ひと	ー
を	格助詞
思ふ	ハ行四段活用「おもふ」の連体形
もの	ー
かは」	係助詞または係助詞「か」＋係助詞「は」
と	格助詞
いへ	ハ行四段活用「いふ」の已然形
り	完了の助動詞「り」の連用形
けれ	過去の助動詞「けり」の已然形
ば、	接続助詞

「朝露	ー
は	係助詞
消えのこり	ラ行四段活用「きえのこる」の連用形
て	接続助詞
も	係助詞
あり	ラ行変格活用「あり」の連用形
ぬ	完了の助動詞「ぬ」の終止形
べし	推量の助動詞「べし」の終止形
誰	代名詞
か	係助詞（係り結び）
こ	代名詞
の	格助詞
世	ー
を	格助詞
たのみはつ	タ行下二段活用「たのみはつ」の終止形
べき」	可能/推量の助動詞「べし」の連体形（係り結び）
また、	副詞
男、	ー
「吹く	カ行四段活用「ふく」の連体形
風	ー
に	格助詞
こぞ	ー
の	格助詞
桜	ー
は	係助詞
散ら	タ行四段活用「ちる」の未然形
ず	打消の助動詞「ず」の終止形
とも	接続助詞
あな	感動詞
たのみがた	ク活用の形容詞「たのみがたし」の語幹
人	ー
の	格助詞
心	ー
は」	係助詞

また、	副詞
女、	ー
返し、	ー
「ゆく	カ行四段活用「ゆく」の連体形
水	ー
に	格助詞
数	ー
かく	カ行四段活用「かく」の連体形
より	格助詞
も	係助詞
はかなき	ク活用の形容詞「はかなし」の連体形
は	係助詞
思は	ハ行四段活用「おもふ」の未然形
ぬ	打消の助動詞「ず」の連体形
人	ー
を	係助詞
思ふ	ハ行四段活用「おもふ」の連体形
なり	断定の助動詞「なり」の連用形
けり」	詠嘆の助動詞「けり」の終止形
また、	副詞
男、	ー
「ゆく	カ行四段活用「ゆく」の連体形
水	ー
と	格助詞
すぐる	ガ行上二段活用「すぐ」の連体形
よはひ	ー
と	格助詞
散る	ラ行四段活用「ちる」の連体形
花	ー
と	格助詞
いづれ	代名詞
待て	タ行四段活用「まつ」の命令形
てふ	格助詞または格助詞「と」とハ行四段活用「いふ」からなる「といふ」の略語
こと	ー
を	格助詞
聞く	カ行四段活用「きく」の終止形
らむ」	現在推量の助動詞「らむ」の連体形

あだくらべ、	ー
かたみに	副詞
し	サ行変格活用「す」の連用形
ける	過去の助動詞「けり」の連体形
男女	ー
の、	格助詞
忍びありきし	サ行変格活用「しのびありきす」の連用形または名詞「しのびありき」＋サ行変格活用「す」の連用形「し」
ける	過去の助動詞「けり」の連体形
こと	ー
なる	断定の助動詞「なり」の連体形
べし。	推量の助動詞「べし」の終止形