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古文単語「くもでなり/蜘蛛手なり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】 |
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著作名:
走るメロス
30,452 views |
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くもでなり/蜘蛛手なり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「くもでなり/蜘蛛手なり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容動詞・ナリ活用
| 未然形 | くもでなら | ◯ |
| 連用形 | くもでなり | くもでに |
| 終止形 | くもでなり | ◯ |
| 連体形 | くもでなる | ◯ |
| 已然形 | くもでなれ | ◯ |
| 命令形 | くもでなれ | ◯ |
■意味1
八方に分かれている、八方に分岐している。
[出典]:東下り 伊勢物語
「そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。」
[訳]:そこを八橋といったのは、水が流れる川が八方に分岐しているので、橋を八つ渡してあることに基いて、八橋といったのでした。
「そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。」
[訳]:そこを八橋といったのは、水が流れる川が八方に分岐しているので、橋を八つ渡してあることに基いて、八橋といったのでした。
■意味2
あれこれと心が乱れる様。
[出典]:御伽草子
「蜘蛛手に物をこそ思ひたまひける。」
[訳]:あれこれと心乱れる様子で物思いをなさいました。
「蜘蛛手に物をこそ思ひたまひける。」
[訳]:あれこれと心乱れる様子で物思いをなさいました。
■意味3
(戦場で)
四方八方に駆け回る、四方八方に太刀を振り回す。
[出典]:木曾最期 平家物語
「木曾三百余騎、六千余騎が中をたてさま、よこさま、蜘蛛手、十文字にかけわって、うしろへつっと出でたれば、五十騎ばかりになりにけり。」
[訳]:木曽義仲勢は300騎ほど、6000騎の(一条次郎勢の)中を縦に、横に、四方八方に、十文字に駆けて、(彼らの)後ろに出たところ、(味方の軍勢は)50騎ほどになっていた。
「木曾三百余騎、六千余騎が中をたてさま、よこさま、蜘蛛手、十文字にかけわって、うしろへつっと出でたれば、五十騎ばかりになりにけり。」
[訳]:木曽義仲勢は300騎ほど、6000騎の(一条次郎勢の)中を縦に、横に、四方八方に、十文字に駆けて、(彼らの)後ろに出たところ、(味方の軍勢は)50騎ほどになっていた。
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