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古文単語「なぐさむ/慰む」の意味・解説【マ行四段活用/マ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「なぐさむ/慰む」の意味・活用・使用例【マ行四段活用/マ行下二段活用】

このテキストでは、古文単語「なぐさむ/慰む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「なぐさむ/慰む」には、
①マ行四段活用
②マ行下二段活用
の用法がある。

①マ行四段活用

未然形なぐさま
連用形なぐさみ
終止形なぐさむ
連体形なぐさむ
已然形なぐさめ
命令形なぐさめ


意味1:自動詞

気が晴れる、気がまぎれる

[出典]かぐや姫の成長 竹取物語
「翁、心地悪しく、苦しきときも、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。 」

[訳]:翁は気分が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいこともおさまりました。腹立たしいことも気がまぎれました。


意味2:他動詞

気分を晴らす、気をまぎらす、楽しませる

[出典]:徒然草
「人に本意なく思はせて、わが心を慰まんこと、徳に背けり。」

[訳]:人を残念に思わせておいて、自分の心を楽しませることは、道徳に反している。


意味3:他動詞

からかう、もてあそぶ

[出典]:東海道中膝栗毛
「たんと買ふ面をして、慰んでやらう。」

[訳]:たくさん買うふりをして、(お店の人を)からかってやろう。




②マ行下二段活用

未然形なぐさめ
連用形なぐさめ
終止形なぐさむ
連体形なぐさむる
已然形なぐさむれ
命令形なぐさめよ


意味1:他動詞

心を晴らす、気をまぎらわす、なごませる、なごやかにする

[出典]:仮名序 古今和歌集
「たけき武士の心をも慰むるは歌なり。」

[訳]:勇ましい武士の心をもなごやかにするのは和歌である。


意味2:他動詞

なだめる、いたわる、ねぎらう、機嫌を取る

[出典]:すさまじきもの 枕草子
「児の乳母の、『ただあからさまに。』とて出でぬるほど、とかくなぐさめて...」

[訳]:赤ん坊の乳母が、「ほんの少し(外に出てくる)」といって出かけた間、どうにかしてなだめて...




意味3:他動詞

介抱する

[出典]:栄花物語
「よろづに慰め、湯飲ませなどすれど...」

[訳]:あれこれと介抱し、湯を飲ませたりするのですが...


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