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古文単語「こころう/心得」の意味・解説【ア行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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こころう/心得

このテキストでは、ア行下二段活用の動詞「こころう/心得」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ア行下二段活用

未然形こころえ
連用形こころえ
終止形こころう
連体形こころうる
已然形こころうれ
命令形こころえよ


意味1:自動詞

(事情や状況を)
理解する、納得する

[出典]かぐや姫の昇天 竹取物語
「かくわづらはしき身にてはべれば、心得ずおぼしめされつらめども...」

[訳]:このように複雑な身の上でございますので、(帝は)納得できないとお思いになっておられるでしょうが...


意味2:自動詞

(武芸などの)
たしなみがある、精通する、心得がある

[出典]:何事も入りたたぬさましたるぞ 徒然草
「片田舎より差し出でたる人こそ、よろづの道に心得たる由の差し答へはすれ。」

[訳]:片田舎から出てきた人は、すべての方面に精通しているような受け答えをするものだ。




意味3:自動詞

引き受ける、承知する

※この用法は、中世後期以降の作品でみられる。
[出典]:狂言 末広がり
『早う戻れ。』
心得ました。』」

[訳]:「『早う戻れ。』
承知しました。』」


意味4:自動詞

気をつける、用意する

[出典]:御前の火炉に火を置く時は 徒然草
「転び落ちぬやうに心得て、炭を積むべきなり。」

[訳]:転がり落ちないように気をつけて、炭を積まなければならない。


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