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古文単語「こころぐるし/心苦し」の意味・解説【形容詞シク活用】 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、シク活用の形容詞「こころぐるし/心苦し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
未然形 | こころぐるしく | こころぐるしから |
連用形 | こころぐるしく | こころぐるしかり |
終止形 | こころぐるし | ◯ |
連体形 | こころぐるしき | こころぐるしかる |
已然形 | こころぐるしけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | こころぐるしかれ |
(自分の心に)
苦痛を感じる、つらい。
[出典]:徒然草 兼好法師
「煩はしかりつる事はことなくて、易かるべき事はいと心苦し。」
[訳]:面倒だと思っていたことが簡単に済むことがあれば、容易と思っていたことにてこずったりもするのでとてもつらい。
「煩はしかりつる事はことなくて、易かるべき事はいと心苦し。」
[訳]:面倒だと思っていたことが簡単に済むことがあれば、容易と思っていたことにてこずったりもするのでとてもつらい。
(他人の悲しみや不幸に対して)
気の毒である。
[出典]:源氏物語 紫式部
「よそのものに思ひやらむほどの心の闇、推し量り給ふに、いと心苦しければ、うち返しのたまひ明かす。」
[訳]:(この姫君を)他の人のものとして遠くから思うときの(明石の君の)心の迷いを、(光源氏は)ご想像なさると、とても気の毒なので、繰り返し(明石の君に)ご説明し夜を明かします。
「よそのものに思ひやらむほどの心の闇、推し量り給ふに、いと心苦しければ、うち返しのたまひ明かす。」
[訳]:(この姫君を)他の人のものとして遠くから思うときの(明石の君の)心の迷いを、(光源氏は)ご想像なさると、とても気の毒なので、繰り返し(明石の君に)ご説明し夜を明かします。
気がかりだ、心配だ。
[出典]:源氏物語 紫式部
「女宮ものし給ふめるあたりにかかる人生ひ出でて、こころぐるしきこと誰がためにもありなむかし...」
[訳]:女一の宮がいらっしゃる近くにこのような人が成長なさり、気がかりなことが誰にとってもきっと起こるだろう...
「女宮ものし給ふめるあたりにかかる人生ひ出でて、こころぐるしきこと誰がためにもありなむかし...」
[訳]:女一の宮がいらっしゃる近くにこのような人が成長なさり、気がかりなことが誰にとってもきっと起こるだろう...
「こころぐるしう」は「こころぐるし」の連用形のウ音便。
現代語の「相手に対して申し訳なく思う」という意味は古語にはないので注意。
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