|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
蜻蛉日記原文全集「さてついたち三日のほどに」 |
著作名:
古典愛好家
7,374 views |
蜻蛉日記
さてついたち三日のほどに
さて例のものおもひは、この月も時々、おなじやうなり。廿日のほどに、
「遠うものする人にとらせん。この餌袋(ゑぶくろ)のうちに、袋むすびて」
とあれば、むすぶほどに、
「いできにたりや。歌を一(ひと)ゑぶくろいれて給へ。ここにいとなやましうて、え詠むまじ」
とあれば、いとをかしうて、
「の給へるもの、あるかぎり詠みいれてたてまつるを、もしもりやうせん、ことふくろをぞ給はまし」
とものしつ。
二日許(ばかり)ありて、
「心ちのいとくるしうても、ことひさしければなん、一(ひと)ゑぶくろといひたりしものを、わびてかくなんものしたりし、かへし、かうかう」
などあまたかきつけて、
「いとようさだめて給へ」
とて、雨もよにあれば、すこしなさけある心ちして待ち見る。おとりまさりは見ゆれど、さかしうことわらんもあいなくて、かうものしけり。
こちとのみ風のこころをよすめれば かへしはふくもおとるらんかし
と許(ばかり)ぞものしける。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
蜻蛉日記原文全集「五月のはじめの日になりぬれば、例の大夫」
>
蜻蛉日記原文全集「六七月おなじほどにありつつはてぬ」
>
枕草子 原文全集「木の花は」
>
平家物語原文全集「殿下乗合 4」
>
蜻蛉日記原文全集「大夫、例のところに文やる」
>
枕草子 原文全集「さかしきもの/ただ過ぎに過ぐるもの/殊に人に知られぬもの」
>
枕草子 原文全集「二月つごもり比に」
>
最近見たテキスト
蜻蛉日記原文全集「さてついたち三日のほどに」
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト