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枕草子 原文全集「くちをしきもの」 |
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著作名:
古典愛好家
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くちをしきもの
くちをしきもの。五節、御仏名(みぶつみょう)に雪ふらで、雨のかきくらしふりたる。
節会(せちゑ)などに、さるべき御物忌のありたる。
いとなみ、いつしかと待つことの、さはりあり、にはかにとまりぬる。
あそびをもし、見すべきことありて、よびにやりたる人の来(こ)ぬ、いとくちをし。
男も女も、法師も、宮仕所などより、おなじやうなる人もろともに寺へもまうでものへもいくに、このましうこぼれ出で、用意よく、いはばけしからず、あまり見苦しとも見つくべくぞあるに、さるべき人の、馬にても車にても、ゆきあひ見ずなりぬる、いとくちをし。
わびては、すきずきしき下衆(げす)などの、人などに語りつべからむをがな、と思ふもいとけしからず。
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