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二項定理のわかりやすい解説
著作名: ふぇるまー
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二項定理を考える前に

教科書に載っている二項定理の公式を用いれば、だいたいの問題を解くことができます。単に覚えるのは簡単なことですが、ここでは、なぜそうなるのかを理解して覚えられるように解説していきます。



説明しやすくするために、"(a+b)⁴"という数式を使って解説をします。
解説

(a+b)⁴とは、(a+b)を4回掛け合わせたものです。式にすると

(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)

この式は何を表すかというと、aが4つ、bが4つある中から、aとbの組み合わせを考えなさい(ただしaとbの数は併せて4個まで使える)ということです。イメージしやすいように書き出すと

aが4つ、bが4つある中から

・aを4つとったとき"a⁴"
・aを3つbを1つとったとき"a³b"
・aを2つbを2つとったとき"a²b²"
・aを1つbを3つとったとき"ab³"
・bを4つとったとき"b⁴"

という5つの項ができあがります。では

(a+b)⁴=_a⁴+_a³b+_a²b²+_ab³+_b⁴

かというとそうではなく、赤線に入る係数も考えなくてはなりません。

ここで、それぞれの項がいくつ出来上がるのかを考えてみましょう。
まずは(a+b)⁴を展開するときに"a⁴"がいくつできるか考えてみます。
4つのすべての(a+b)の中からaを取り出したときのみ"a⁴"の組み合わせができます。

(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)
a a a a


では"a²b²"はどうでしょうか。"a²b²"となる組み合わせは
(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)
a a b b
a b a b
a b b a
b a a b
b a b a
b b a a



の6通りです。



同じように他の項も考えていくと、"a³b"は4通り、"ab³"は4通り、"b⁴"は1通りの組み合わせができます。(a+b)ⁿという式において、いまみてきた係数と組み合わせには大きな関係があります。

組み合わせの数=係数

となるのです。
(※ただし、(a+2b)ⁿのような式では、組み合わせの数=係数とはならないので注意が必要です。あくまでも二項定理を理解するためのとっかかりの部分としてこのように説明しています。)

・"a⁴"が
・"a³b"が
・"a²b²"が
・"ab³"が
・"b⁴"が

(a+b)⁴を展開してみると、
(a+b)⁴=1a⁴+4a³b+6a²b²+4ab³+1b⁴

と見事に組み合わせの数と係数の値が一致しましたね。

このように項の組み合わせを考えることで係数が求まるのですが、係数を求めるためにいちいち組み合わせを考えているとキリがありません。そこで、係数を簡単に求めることができる計算式が誕生しました。それが二項定理です。



(a+b)⁴を展開した項の係数に規則性がないか考えてみると

"a⁴":₄C₀=1個
"a³b":₄C₁=4個
"a²b²":₄C₂=6個
"ab³":₄C₃=4個
"b⁴":₄C₄=1個

と表記できることに気がつけます。
これを公式としてまとめると次のようになります。

(a+b)ⁿ=nC₀aⁿ+nC₁aⁿ⁻¹b+nC₂aⁿ⁻²b²+…+nCraⁿ⁻ʳbʳ+…+nCn₋₁abⁿ⁻¹+nCnbⁿ

※nCrのnとrは下付き文字


これが二項定理です。

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