|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
二項定理のわかりやすい解説 |
著作名:
ふぇるまー
417,195 views |
二項定理を考える前に
教科書に載っている二項定理の公式を用いれば、だいたいの問題を解くことができます。単に覚えるのは簡単なことですが、ここでは、なぜそうなるのかを理解して覚えられるように解説していきます。
説明しやすくするために、"(a+b)⁴"という数式を使って解説をします。
解説
(a+b)⁴とは、(a+b)を4回掛け合わせたものです。式にすると
(a+b)(a+b)(a+b)(a+b)
この式は何を表すかというと、aが4つ、bが4つある中から、aとbの組み合わせを考えなさい(ただしaとbの数は併せて4個まで使える)ということです。イメージしやすいように書き出すと
aが4つ、bが4つある中から
・aを4つとったとき"a⁴"
・aを3つbを1つとったとき"a³b"
・aを2つbを2つとったとき"a²b²"
・aを1つbを3つとったとき"ab³"
・bを4つとったとき"b⁴"
という5つの項ができあがります。では
(a+b)⁴=_a⁴+_a³b+_a²b²+_ab³+_b⁴
かというとそうではなく、赤線に入る係数も考えなくてはなりません。
ここで、それぞれの項がいくつ出来上がるのかを考えてみましょう。
まずは(a+b)⁴を展開するときに"a⁴"がいくつできるか考えてみます。
4つのすべての(a+b)の中からaを取り出したときのみ"a⁴"の組み合わせができます。
(a+b) | (a+b) | (a+b) | (a+b) |
a | a | a | a |
では"a²b²"はどうでしょうか。"a²b²"となる組み合わせは
(a+b) | (a+b) | (a+b) | (a+b) |
a | a | b | b |
a | b | a | b |
a | b | b | a |
b | a | a | b |
b | a | b | a |
b | b | a | a |
の6通りです。
同じように他の項も考えていくと、"a³b"は4通り、"ab³"は4通り、"b⁴"は1通りの組み合わせができます。(a+b)ⁿという式において、いまみてきた係数と組み合わせには大きな関係があります。
「組み合わせの数=係数」
となるのです。
(※ただし、(a+2b)ⁿのような式では、組み合わせの数=係数とはならないので注意が必要です。あくまでも二項定理を理解するためのとっかかりの部分としてこのように説明しています。)
・"a⁴"が1個
・"a³b"が4個
・"a²b²"が6個
・"ab³"が4個
・"b⁴"が1個
(a+b)⁴を展開してみると、
(a+b)⁴=1a⁴+4a³b+6a²b²+4ab³+1b⁴
と見事に組み合わせの数と係数の値が一致しましたね。
このように項の組み合わせを考えることで係数が求まるのですが、係数を求めるためにいちいち組み合わせを考えているとキリがありません。そこで、係数を簡単に求めることができる計算式が誕生しました。それが二項定理です。
(a+b)⁴を展開した項の係数に規則性がないか考えてみると
"a⁴":₄C₀=1個
"a³b":₄C₁=4個
"a²b²":₄C₂=6個
"ab³":₄C₃=4個
"b⁴":₄C₄=1個
と表記できることに気がつけます。
これを公式としてまとめると次のようになります。
(a+b)ⁿ=nC₀aⁿ+nC₁aⁿ⁻¹b+nC₂aⁿ⁻²b²+…+nCraⁿ⁻ʳbʳ+…+nCn₋₁abⁿ⁻¹+nCnbⁿ
※nCrのnとrは下付き文字
※nCrのnとrは下付き文字
これが二項定理です。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
パスカルの三角形の性質
>
二項定理の計算問題
>
多項式を展開したときの係数
>
二項定理の応用[項の係数を求める問題]
>
式の展開~二項定理を使って~
>
パスカルの三角形の性質
>
最近見たテキスト
二項定理のわかりやすい解説
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト
数学II
- 式と証明
- 多項式の乗法と除法
- 分数式
- 恒等式/等式の証明
- 不等式の証明
- 二項定理
- 高次方程式
- 複素数
- 2次方程式(判別式/係数の関係/数の大小)
- 剰余の定理と因数定理
- 高次方程式
- 点と直線
- 点の距離
- 内分点/外分点
- 座標上の多角形
- 直線の方程式
- 垂直/平行な2直線
- 2直線の交点
- 点と直線の距離
- 円
- 円の方程式
- 円と直線の関係
- 円:軌跡の方程式
- 不等式の表す領域
- 指数関数と対数関数
- 指数と指数関数
- 対数と対数関数
- 三角関数
- 三角関数
- 加法定理/倍角の公式
- 微分
- 平均変化率・極限値
- 微分係数と導関数
- 微分:接線
- 微分:関数の増大と極大・極小
- 微分:最大値・最小値
- 微分:関数のグラフと方程式・不等式
- 積分
- 不定積分
- 定積分
- 積分:面積
- その他
- その他