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東アジアの自立化(遼、西夏、金、陳朝、高麗など) 受験対策問題 29 |
著作名:
レキシントン
20,626 views |
東アジアの自立化で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
遼・西遼(契丹)
・契丹とは、モンゴル系の遊牧民で、キタイやキタンとも呼ばれた。キタイはのちに西方に伝わり、Khatai(Cathay)として中国の別名となる。
・唐の支配が衰退した10世紀に、契丹の指導者耶律阿保機が諸部族を統合し、初代皇帝として遼(916~1125)を建国した。耶律阿保機は多くの漢人を登用し、西方の突厥やウイグル、タングートに遠征し、926年には中国東北地方にあった渤海国を滅ぼした。
・遼の第2代皇帝耶律堯骨は、五代十国時代の後晋の石敬瑭が国を建国する際に協力し、その見返りとして936年に燕雲十六州を獲得した。また、その後947年には後晋を滅ぼした。
・1004年、宋の真宗と遼の聖宗が澶淵の盟を結んだ。宋を兄、遼を弟としたこの講和条約により、以後宋は毎年絹20万匹、銀10万両を遼に送り、国境を維持した。
・遼は契丹人を遊牧民の部族制で管理する北面官、定着農民の漢人を中国的な州県制で統治する南面官という2つの官庁を作り、国を統治した。これを二重統治体制という。当初契丹人の北面官が南面官よりも上位に立ったが、次第に漢化していった。また、統治策の一つとして五京の制度を行った。
・契丹は文化面で、ウイグル文字をベースとした契丹文字を作った。
・1125年に遼が金に滅ぼされると、王族の一員だった耶律大石が中央アジアのトルコ系イスラーム王朝カラ=ハン朝を破り、西遼(1132~1211)を建国した。西遼はイスラーム勢力から黒契丹という意味のカラ=キタイと呼ばれ、都ベラサグン(フス=オルダ)を中心に栄えたが、最後はナイマンに滅ぼされた。
西夏(タングート)
・タングートとは、チベット系の民族で、吐谷渾や隋・唐に挟まれ、吐蕃に圧迫されていたが、宋代になり、李元昊が初代皇帝として西夏(大夏)(1038~1227)を建国した。都興慶府を中心に中継貿易で栄えたが、最後はチンギス=ハンにより滅ぼされた。
・李元昊は漢字を模した独自の西夏文字を作った。
金(女真)
・女真とは、中国東北部に居住していたツングース系の民族で、10世紀に遼の支配下にあったが、女真族の一部の完顔部から完顔阿骨打という指導者が出て民族統一を果たし、12世紀はじめに金(1115~1123)を建国した。都は上京会寧府に定められた。
・完顔阿骨打は軍事行政組織として猛安・謀克制を整備し、完顔希伊に命じ、契丹文字と漢字をもとにした女真文字を作らせた。また対外的に宋と同盟を結び、遼を攻撃した。
・第2代大宗は1125年に遼、1127年に北宋を滅ぼし、後に成立した南宋を圧迫した。1123年に完顔阿骨打が占領した燕京(現在の北京)は、1153年に第4代海陵王が中都と改名し遷都した。中都は1214年まで都となった。
・金代には王重陽を祖する全真教や、五斗米道(天師道)が改称された正一教など新たな道教が成立した。
・金では、宋の交子をもとにした交鈔が元代まで紙幣として用いられた。
・金は中国的な国家を作り隆盛を誇ったが、最終的に1123年オゴタイ=ハンに滅ぼされた。
ベトナム
・ベトナムでは、李公蘊が宋を撃退し、李朝(大越国)(1009~1225)を建国した。首都昇竜(現在のハノイ)を中心に栄え、仏教や儒教など中国文化を取り入れ繁栄し、大理やチャンパーにも遠征した。
・李朝は外戚の陳氏によって倒され、新たに陳朝(1225~1400)が開かれた。陳朝時代には中国の科挙や行政制度が取り入れられ、仏教が盛んになった。モンゴル軍の侵入を3度撃退し、漢字をもとにした字喃(チュノム)が作られた。
朝鮮
・朝鮮では、新羅末の武将王建が有力となり、高麗(918~1392)を建国した。都開城を中心に栄え、935年に新羅、936年に後百済を滅ぼし、朝鮮半島を統一した。
・高麗では文班・武班からなる両班という特権階級が生まれ、文化的には木版印刷を用いた高麗版大蔵経、高宗の時代の金属活字、高麗青磁や象嵌青磁などが作られ繁栄したが、最終的に高麗の武将李成桂に滅ぼされた。
日本
・日本では平安京遷都から鎌倉幕府成立までの平安時代(794~1192)を迎え、藤原氏による摂関政治が行われた。894年には菅原道真の献言で遣唐使が廃止され、その後国風文化が花開いた。
・平安時代末期には平清盛率いる平氏が政権をにぎり、武家政権が誕生した。平安後期から鎌倉中期には、日本と宋の間に日宋貿易が活発となり、宋銭や宋磁が取引された。その後12世紀には日本・南宋・高麗の間に貿易が盛んになり、東アジア貿易圏が生まれた。
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