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紅山文化とは わかりやすい世界史用語280
著作名: ピアソラ
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紅山文化とは

紅山文化は、約4000年頃から3000年前頃の中国北東部、遼河下流域に存在した新石器時代の文化です。この文化は、内モンゴルから遼寧にかけての広範囲にわたる遺跡が発見されており、その名前は赤峰市の紅山区にある紅山後遺跡に由来しています。紅山文化は、日本の考古学者鳥居龍藏によって1908年に発見され、1935年には濱田耕作と水野清一によって広範囲にわたって発掘されました。

紅山文化は、その複雑な埋葬方法や美しい玉器などから、階層社会を持っていたことが示唆されています。また、彩色陶器は、黄河文化である仰韶文化との関連を示している可能性があります。紅山文化の遺跡からは、祭祀用の土器や玉製品が多数発見されており、特に玉製の龍や鳥の形をした装飾品は、この文化の特徴的な芸術作品とされています。これらの遺物は、当時の人々の宗教観や世界観を反映していると考えられています。また、竜を象った玉器は、殷を超えて後代に伝わり、中華文明の象徴となりました。



紅山文化は、農業を基盤としながらも、狩猟や漁労を行うなど、多様な生活様式を持っていたとされています。また、この文化は、後の時代に中国北部で栄えた夏家店下層文化や夏家店上層文化へと繋がっていく重要な役割を果たしています。紅山文化の人々は、現在の中国北部に住む漢民族やモンゴル族、満州族などの祖先である可能性が高いとされており、彼らの遺伝的特徴や言語的アイデンティティは、現代の研究においても重要な研究対象となっています。

このように、紅山文化は、中国史上でも非常に重要な文化の一つであり、その遺跡や遺物からは、古代中国人の生活や信仰、社会構造について貴重な情報を得ることができます。

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