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前漢・後漢(高祖、武帝、西域経営、匈奴遠征、光武帝、黄巾の乱など) 受験対策問題 20 |
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著作名:
レキシントン
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※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
・秦の滅亡後、垓下の戦いで項羽に勝利した劉邦は、 自ら高祖(在位紀元前202〜紀元前195)となり、漢を建国した。漢は間に新という王朝をはさみ、前漢と後漢にわかれる。漢王朝は紀元前202年から紀元後220年まで続き、約400年間安定した統一王朝となった。
・漢の初代皇帝となった高祖は、都を長安に定め、帝国の基礎を築いていった。高祖は長安周辺の直轄地には郡県制を、地方には功臣を諸侯に封じた封建制を併用した。これを郡国制という。また郷里組織として郷・亭・里をつくった。
・前漢第6代皇帝の景帝(在位紀元前157〜紀元前141)の時代になると、皇帝の力を強め、諸侯を抑圧するため、各地の諸侯の領土が削減された。こうした状況を受けて、紀元前154年、呉と楚の諸侯を中心とした7カ国が、呉楚七国の乱を起こした。この乱は漢により短期間で平定され、郡国制は事実上郡県制に移行していき、次の武帝の時代に中央集権体制が確立した。
・高祖の曾孫にあたる前漢第7代皇帝の武帝(在位紀元前141〜紀元前87年)の時代に入ると、儒家の董仲舒が重用され、儒教が国家正統の官学となった。また、匈奴遠征、張騫の大月氏派遣、西域・南越・朝鮮の経営、塩・鉄・酒の専売、均輸・平準法、売位・売官・贖罪、五銖銭の鋳造などを実施した。
・漢と長年対立していたのが、騎馬民族の匈奴である。紀元前3世紀に冒頓単于(ぼくとつぜんう)が部族を統合し、内モンゴルを支配した。高祖が匈奴に敗北した後、親和政策が取られていたが、武帝は衛青と霍去病という武将に匈奴遠征を命じ、匈奴への攻撃を再開した。また、匈奴を挟撃するために紀元前139年に張騫をソグディアナ・バクトリア地方の大月氏に派遣した。
・大月氏との同盟には失敗したものの、張騫の派遣により西域の事情が明らかとなり、以後、烏孫との同盟や汗血馬の産地大宛国(フェルガナ)との交流が始まった。武帝は李広利を大宛国に派遣し汗血馬を獲得し、紀元前121年には敦煌郡が設置され、西域進出が始まった。
・紀元前111年には、ベトナムの南越を滅ぼし、南海郡や交趾郡など南海9郡が設置され、南越経営が始まった。
・紀元前108年には、衛氏朝鮮を滅ぼし、楽浪郡・真番郡・臨屯郡・玄菟郡の朝鮮4郡が設置され、朝鮮経営が始まった。
・官吏任用制度としては、武帝が郷挙里選を制定した。
・紀元前7年には、地方の豪族勢力をそぐため、哀帝が土地制限令である限田策を発布したが、反対にあい実施されなかった。
・前漢末期になると、皇后の親族の外戚が力をもつようになった。紀元後8年に外戚の王莽により前漢が倒され、新という王朝が建てられた。新は外征の失敗や重税を取り立てるなど中国社会を混乱させ、赤眉の乱(18〜27)によって短期間で滅んだ。
・赤眉の乱で新が崩壊すると、漢王室の一員だった劉秀が反乱をおさめ、自ら光武帝となり、後漢を建国した。光武帝は都を洛陽に移し、前漢を滅亡に追い込んだ外戚を退け、儒教を元にした政策を行った。洛陽はその後も、魏・西晋・北魏の都となった。
・後漢時代、ベトナムで徴姉妹の反乱がおこったものの、光武帝が倭国(日本)に漢委奴国王の金印を授けるなど、周辺諸国の朝貢をベースとする冊封体制という国際体制が成立していった。
・後漢第2代の明帝(在位57〜75)の時代には、インドから仏教が伝来し、匈奴征討や西域経営が活発となった。
・西域経営を担ったのが後漢の武将班超で、91年に和帝により西域都護に命ぜられ、以後西域を後漢の影響下に置いた。また、その部下甘英は、97年に大秦国(ローマ帝国)に派遣され、その途上安息(パルティア)や条支国(シリア)に至った。この様子は『後漢書』に書かれ、ローマ帝国五賢帝の一人マルクス=アウレリウス=アントニヌス(在位161〜180)が大秦王安敦という名で出てくる。
・後漢は2世紀以降幼少の皇帝が相次いで即位し、外戚や宦官が政治の実権を握るようになった。こうした状況の中、儒家を中心とした知識人である党人が宦官に対抗しようとした結果、逆に公職追放にあった党錮の禁という事件が起こった。これ以降、宦官の専横は強まり、中央の政治は混乱し、加えて度重なる飢饉がおこり、農民の反乱が相次いだ。
・中国社会が混乱する中、救いを求める人々を信徒にし、張角が創始した太平道や、張陵が創始した五斗米道など各地に宗教結社が次々と成立していった。この2つの結社は、のちに道教の源流となる。
・張角率いる太平道は、紀元前184年に黄巾の乱を起こした。黄巾の乱は大反乱となり、混乱に乗じて各地に有力者がでて、後漢は衰退し、220年、魏によって滅ぼされ、三国時代が始まった。
・漢代、黄老思想と儒学が国を支える重要な思想となった。儒学は前漢の儒家董仲舒の建議で武帝が正式に正当教義とした。
・武帝は儒学の経典の五経(『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』)の研究と普及を進める機関として五経博士を設置した。五経は経書ともいわれる。
・次第に『経書』の字句解釈を目的として、後漢の馬融・鄭玄が中心となり訓詁学が成立した。
・歴史家としては、前漢の司馬遷が黄帝から武帝までを記した『史記』を、後漢の班固(班超の兄)が高祖から王莽滅亡までを記した『漢書』を著した。『漢書』地理志に初めて倭の名前が出てくる。『史記』にはじまり、『漢書』で完成された歴史記述の形式を、紀伝体という。また、その後南朝宋の范曄が『後漢書』を編纂し、倭の奴国が光武帝から金印を授かったことが描かれている。
・自然学者として、天球儀や地震計を発明した張衡がいる。
・この時代の文字は篆書に始まり、隷書・草書・楷書・行書などに発展していき、後漢の許慎が『説文解字』という文書を編纂した。
・文字を記すために、木簡や竹簡、帛(絹布)などが使用されたが、蔡倫が製紙法を発明し、105年に和帝に献上し、紙が文字を記す素材となった。製紙技術は、その後751年にタラス河畔の戦いをきっかけとしてイスラム世界、ヨーロッパ世界に伝わった。
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