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『みな人は花の衣になりぬなり苔の袂よかわきだにせよ』現代語訳と解説・品詞分解 |
著作名:
走るメロス
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遍昭/歌の意味と読み、現代語訳、単語、品詞分解
このテキストでは、古今和歌集に収録されている歌「みな人は花の衣になりぬなり苔の袂よかわきだにせよ」のわかりやすい現代語訳・口語訳、解説、歌が詠まれた背景や意味、そして品詞分解を記しています。この歌は古今和歌集の他に、大和物語にも見ることができます。
古今和歌集とは
古今和歌集(こきんわかしゅう)は、平安時代前期の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。
原文
みな人は 花の衣に なりぬなり (※1)苔の袂よ 乾きだにせよ
ひらがなでの読み方
みなひとは はなのころもに なりぬなり こけのたもとよ かわきだにせよ
現代語訳(口語訳)
人々はみな喪が明けて、はなやかな衣に着替えたそうだ。(しかし私はまだ、喪が明けても帝の死を悲しんでいる。)涙に濡れた僧衣の袂よ、せめて乾きだけでもしておくれ。
解説・鑑賞のしかた
この歌の詠み手は、六歌仙および三十六歌仙の一人、遍昭(へんじょう/僧正遍昭とも)です。
この歌は仁明天皇(にんみょうてんのう)の死去によって出家した遍昭が、天皇の一周忌に詠んだものとされています。仁明天皇がなくなったあとに、人はみな喪に服しました。喪が明けたあと、人々は喪服を脱いで明るさを取り戻していきますが、天皇がなくなったショックから立ち直れないでいる遍昭は、その気持ちをダイレクトに歌に込めたのです。
主な技法・単語・文法解説
■単語
(※1)苔の袂 | 僧侶が着る衣のこと |
品詞分解
※名詞は省略しています。
みな人 | ー |
は | 係助詞 |
花 | ー |
の | 格助詞 |
衣 | ー |
に | 格助詞 |
なり | ラ行四段活用・連用形 |
ぬ | 完了の助動詞・終止形 |
なり | 伝聞の助動詞・終止形 |
苔 | ー |
の | 格助詞 |
袂 | ー |
よ | 終助詞 |
かわき | カ行四段活用・連用形 |
だに | 副助詞 |
せよ | 補助動詞・サ行変格活用・命令形 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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