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古文単語「たまさかなり/偶なり/邂逅なり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】
著作名: 走るメロス
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たまさかなり/偶なり/邂逅なり

このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「たまさかなり/偶なり/邂逅なり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容動詞・ナリ活用

未然形たまさかなら
連用形たまさかなりたまさかに
終止形たまさかなり
連体形たまさかなる
已然形たまさかなれ
命令形たまさかなれ


意味1

偶然だ、思いがけない

[出典]若紫・北山の垣間見 源氏物語
たまさかに立ち出づるだに、かく思ひのほかなることを見るよと、をかしう思す。」

[訳]偶然に出てきてさえ、このように思いがけないことに出会うものだよと、面白くお思いになります。


意味2

まれである、めったにない、時たまである

[出典]須磨・心づくしの秋風 源氏物語
「一日、二日たまさかに隔つる折だに、あやしういぶせき心地するものを。」

[訳]:一日、二日時たまに間をおいているときでさえ、気がかりで気が晴れない心地がするのですから。




意味3

もしも、万が一

※この用法の場合、仮定表現の中で連用形で用いられる。
[出典]:火鼠の皮衣 竹取物語
「もし天竺にたまさかに持て渡りなば...」

[訳]:もしインドに万が一にも持って渡っているのならば...


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