manapedia
更新日時:
万葉集『家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る』現代語訳と品詞分解・枕詞
著作名: 走るメロス
64,449 views
はじめに

ここでは、万葉集で詠まれている「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」という歌について説明していきます。

原文

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

現代語訳(口語訳)

家にいると器によそうご飯を、今は旅の途中なので椎の葉に盛ります。

解説・鑑賞のしかた

この句は、飛鳥時代に有間皇子が詠んだ句です。大化の改新で活躍した中大兄皇子と同じ時代の人物です。有間皇子は中大兄皇子と不仲で、謀反をたくらんでいました。しかし一緒に計画をしていたはずの蘇我赤兄に裏切られ、計画がばれて捕まってしまいます。この句に詠まれている「旅」とは、捕まったあと護送されているときのことです。このときに詠まれたもので「磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらばまた還り見む」という句もあります。

単語

家にあれば「ば」は恒常的条件をさす接続助詞で、「家にいるときはいつも」となる
物をいれる器
草枕「旅」にかかる枕詞
朝廷への反逆罪で護送中の旅のこと


品詞分解

※名詞は省略しています。

格助詞
あれラ行変格活用・已然形
接続助詞
格助詞
盛るラ行四段活用・連体形
格助詞
草枕枕詞
格助詞
副助詞
あれラ行変格活用・已然形
接続助詞
格助詞
格助詞
盛るラ行四段活用・終止形


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。