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アテネの政体変化 ~王政→貴族制→僭主制→民主制→衆愚政~ |
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著作名:
レキシントン
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アテネは、ギリシアの中でも、もっとも繁栄したポリスであったと言えます。
ところが、高度な政治制度を誇ったアテネでさえも、次第に政体に変化が見え始め衰退していきました。
このテキストでは、アテネの政体変化がどういった過程で起こり、その後の衰退につながっていったかを見ていきましょう。
アテネは紀元前8世紀ころに王政から貴族制に移行し、その後民主制を成立させます。
アテネは以下のような政体変化を遂げました。
前8世紀 | ポリス形成→王政から貴族制へ |
前621 | ドラコンの立法 |
前594 | ソロンの改革 |
前561 | ペイシストラトスによる僭主政治 |
前508 | クレイステネスの改革 |
前443 | ペリクレスの政治 |
前431 | ペロポネソス戦争 |
大雑把に言うと、王政→貴族制→僭主制→民主制→衆愚政へと変わっていったんですね。
王政廃止後、アテネでは貴族達が政治を独占する貴族制によって国の運営が行われました。
ところが、平民たちが戦争に重装歩兵として参加するようになると、国への貢献の見返りに参政権を要求するようになります。
こうした流れを受けて、紀元前621年、ドラコンという立法者が現れ、貴族たちの慣習法を成文化して、貴族による法の独占を打ち破ります。
次に、紀元前594年、ソロンという政治家が国政改革に着手します。
負債の帳消しや債務奴隷の禁止、財産政治の実施という改革を行い、次第に平民の政治参加が可能になっていきます。
ところが、ソロンの改革は不十分で、貴族・平民双方から評判が悪かったため、僭主ペイシストラトスが現れ、平民は彼を支持するようになります。
僭主とは、民衆の不満を利用し、非合法的に政権を握った独裁者のことです。英語の暴君(tyrant)の語源にもなっています。
僭主政治はその後も続き、ヒッピアスなどの暴君が現れたため、紀元前508年、クレイステネスが陶片追放(オストラシズム)を実施し、貴族制や僭主政治が起こらないようにしました。
こうして、アテネ民主制の基礎が出来上がります。
紀元前500年紀元前449年にかけてペルシア戦争が起こると、多くの無産市民が戦争で活躍したことを受けて、その後のペリクレス時代に、成人男性による民主政治が完成しました。
アテネはペリクレス時代に様々な面で最盛期を迎えますが、ペリクレスが病死したあと、ペロポネソス戦争の際に、デマゴーゴスという扇動政治家が現れ、民主政治が衆愚政治へと変わってしまいました。
衆愚政治へと堕落したアテネの政治制度は改善されることがなく、ペロポネソス戦争の敗北とともにアテネ衰退の原因となりました。
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