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清はどうやって中国を支配したのか |
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著作名:
レキシントン
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清朝は、1636年から1912年まで続いた中国最後の統一王朝です。
この清朝は、中国の中でも東北地方で生活していた女真族によって建てられた王朝でした。
ヌルハチ(太祖)が初代皇帝となって、女真族を統一し、民族名を王朝建国の地にちなんで、満州族に改称します。
(初代皇帝ヌルハチ)
次の第2代太宗(ホンタイジ)は、国号を清と定め、1644年の明の滅亡と同時に、中国本土を統一します。
このように、清朝は成立当初から圧倒的多数の漢民族を、満州民族が支配するという構図になっていました。
広大な中国大陸を支配するために、圧倒的多数を占める漢民族の協力を得ることが必要と考えた清朝は、漢民族に対するさまざまな政策を行います。
政策は、大きく分けて懐柔策と威圧策という2つのタイプが見られ、この2つをうまく併用することで満州民族の長期的な支配を実現しました。
科挙は随の時代から続く官吏の登用制度ですね。清朝は、明の時代に行われていた科挙制度を引き継ぎ、優秀な漢民族の知識人を登用します。
六部など、国の重要な役職の定員を偶数にし、満州民族出身者と、漢民族出身者を同数任命する政策です。別名満漢偶数官制ともいいます。
中国古来の文化を尊重した清朝は、文化や学問を奨励し、『康熙字典』という漢字辞典や、『四庫全書』という一大叢書などの大編纂事業を行います。
辮髪は、満州民族に古くから伝わる風習でしたが、これを漢民族に強制し、満州民族が中国の支配者だということを強く示しました。これは満州民族に対する漢民族の服従の証で、従わない者は厳しく処罰されました。
(辮髪)
満州民族と漢民族の結婚を禁止し、互いの人種が混ざり合うのことを防ぎました。
康熙帝や乾隆帝の時代に行われた思想弾圧です。上に書いたように、中国の文化や学問を奨励する一方で、清朝の支配や満州民族に反対する内容の文書を記した人物を極刑にしました。
文字の獄と同様に、思想統制のために清朝支配に反する書物の刊行を禁じたり焼き払った政策です。
このように、懐柔策と威圧策をうまく併用することで、漢民族に対する満州民族の優位性が続き、長期にわたる清朝の時代が実現したのです。
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