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詩のタイプ(叙情詩・叙景詩・叙事詩)
著作名: 春樹
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詩のタイプ(叙情詩・叙景詩・叙事詩)

中学校で扱う詩には、大きく分けて3つのタイプがあります。
叙情詩叙景詩そして叙事詩です。



叙情詩

叙情詩とは、作者の気持ちや心の変化をうたった詩です。私たちが目にするほとんどの詩は、この叙情詩です。

この詩は、詩人が自身の感情や思い、そしてメッセージを込めた詩の形式を指します。これは、詩人の心情や内面の変化を表現したものであり、現代の詩の多くは叙情詩として書かれています。例えば、石川啄木の「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたわむる」という詩や、金子みすゞの「噴水の亀」という詩が叙情詩の一例です。ほかにも、高村光太郎、室生犀星(むろう さいせい)、北原白秋、中原中也などが詩人として有名です。

叙景詩

叙景詩とは、自然の風景などを主観的・客観的にありのままにうたった詩の事をいいます。作者がどう感じたかよりも、風景や風物がどうであるかという点に重きが置かれています。

この詩は、自然の風景などをありのままに描写した詩の形式を指します。ここでは、風景や景色そのものが詳細に描写され、詩人の心情や感情よりも風景そのものに焦点が当てられます。金子みすゞの「博多人形」と与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」という詩が叙景詩の代表的な例です。



しかし、どうしても作者の感情も混じってくることもあり、その点で叙情詩と叙景詩の分別は難しく、叙情詩と叙景詩を同じくくりで考えるときもあります。

叙事詩

叙事詩とは、歴史上の事件や人物をうたった詩のことです。短歌のように一定のリズムにのって書かれたもので、短歌とは違ってある程度の長さがあります。

叙事詩は、歴史上の人物や出来事などを描いた詩の形式を指します。神話、伝説、事件、英雄の業績などをテーマにし、物語の形式をとることが一般的です。叙事詩の例としては、ホメロスの「イリアス」と「オデュッセイア」、ダンテの「神曲」、ミルトンの「失楽園」などがあります。

詩を読むためには、詩の題材が何かということだけではなく、その題材を通して作者が何を表現しようとしているのかを感じ取る必要があります。

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