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20_80 現代経済の仕組み / 経済成長と景気変動

オイルショックの背景

著者名: 早稲男
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オイルショック(石油危機)

1970年代に2度、オイルショックとよばれる、原油の価格が高くなったことに伴っておきた経済混乱がありました。
その背景について説明をしたいと思います。
【第1次オイルショック】

第1次オイルショックの背景にあるのは、1973年に起こった第四次中東戦争です。
この戦争をうけて、OPEC(石油輸出国機構)が原油の価格を70%も引き上げることを決定しました。またそれと同時にOAPEC(アラブ石油輸出国機構)は、産出量を段階的に減らし、イスラエルの支援国家への輸出を停止することを発表したのです。

日本はイスラエルを支援したことはなかったのですが、同盟国であるアメリカがイスラエルの支援国家であったために、そのとばっちりをうける形になりました。石油の供給をアラブ諸国に依存していた日本にとって、これは大打撃となり、インフレが巻き起こります。20%以上も上昇した物価は「狂乱物価」という言葉まで生み出しました。

紙供給が困難になりトイレットペーパーがなくなるといった噂が飛び交い、トイレットペーパーを買い求める人で長蛇の列ができているという写真をよく見かけますが、実際には誤りで、これはオイルショックの影響で引き起こされた事象ではなく、あくまでも人の噂によってひろまった騒動であるということに留意しておいてください。
【第2次オイルショック】

第2次オイルショックは、1979年のイラン革命によって起こりました。当時、大量の石油をイランから輸入していた日本は、この影響を直接にうけることになったのです。
これによって、第1次オイルショック並に物価は高騰しましたが、第1次オイルショックの経験があったからか、影響は第1次オイルショック程ではありませんでした。


石油を輸入に頼っている日本は、このような自体を繰り返さないようにと、代替エネルギーの開発(原子力、風力、太陽光エネルギーなど)に注力をしていくようになったのです。

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『用語集 政治経済』 山川出版社
『用語集 日本史』 山川出版社

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