manapedia
更新日時:
「ベネズエラ・ボリバル共和国」について調べてみよう
著作名: 早稲男
1,123 views
ベネズエラ・ボリバル共和国

ベネズエラ・ボリバル共和国(以下「ベネズエラ」、英語ではBolivarian Republic of Venezuela)は、、南アメリカ大陸北部に位置する連邦共和制国家です。首都はカラカスです。

このテキストでは、ベネズエラの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


国土

ALT

ベネズエラ・ボリバル共和国は、南米大陸北部に位置し、カリブ海と北大西洋に面しています。国土の面積は約916,445平方キロメートルで、日本の国土面積の約2.4倍です。この広大な国土は、多様な地形を擁しています。北部はカリブ海に沿って広がる平野部、内陸にはギアナ高地と呼ばれるテーブルマウンテンが広がる地域、そして南部にはアマゾン熱帯雨林の一部が含まれます。

ベネズエラは熱帯に属しており、北部の沿岸部では年間を通じて高温多湿な気候です。高地や山岳地帯では、標高に応じて気温が低くなる傾向があります。

ベネズエラの領土は、隣接するブラジル、コロンビア、ガイアナと国境を接しています。特に、ガイアナとの間にはエセキボ地域の領有権をめぐる係争が続いています。


人口と人種

ベネズエラの人口は2024年の推計で約2,950万人です。人口の大多数は都市部に集中しており、首都カラカスが最大の人口を擁する都市です。人種構成は多様で、国民の大多数はヨーロッパ系と先住民の混血であるメスティーソで占められています。加えて、ヨーロッパ系、アフリカ系、先住民、アジア系の人々も居住しています。この多様性は、歴史的にスペインの植民地支配、アフリカからの奴隷貿易、そしてヨーロッパや中東からの移民によって形成されました。近年では、経済的な要因から多くのベネズエラ人が国外へ流出していることが報告されています。


言語

ベネズエラの公用語はスペイン語です。しかし、地域やコミュニティによっては、40以上の先住民言語が使用されています。これら先住民言語は、ユネスコによって保護されるべき文化遺産とされており、政府によって公式に認められています。例えば、ヤノマミ語、ワユ語、ペモン語などが話されています。教育や行政手続きは主にスペイン語で行われますが、多言語環境はベネズエラ社会の多様性を象徴しています。


主な産業

ベネズエラの経済は、石油に大きく依存しています。同国は世界最大の原油埋蔵量を誇り、石油・ガス部門は経済の中心です。ベネズエラの石油は主にオリノコ川流域の重質油地帯に埋蔵されています。石油産業は、輸出収入、財政収入、国内総生産(GDP)に最も大きく貢献しています。

石油以外の産業としては、天然ガス、鉄鉱石、ボーキサイト、金、その他の鉱物資源の採掘も重要な位置を占めています。農業部門では、トウモロコシ、米、サトウキビ、コーヒー、カカオなどが生産されています。製造業では、自動車、食品、繊維などが主な製品です。


主な観光地

ベネズエラには多様な自然と文化遺産があり、観光資源に恵まれています。

エンジェルフォール(アンヘルの滝)

世界最大の落差を誇る滝で、カナイマ国立公園内にあります。この滝は、テーブルマウンテンであるアウヤンテプイから流れ落ち、絶景を作り出しています。カナイマ国立公園は、ユネスコ世界遺産にも登録されています。

ロライマ山

ギアナ高地を代表するテーブルマウンテンの一つで、ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの国境にまたがっています。山頂には独特の動植物が生息しており、「失われた世界」とも呼ばれています。

ロス・ロケス諸島

カリブ海に浮かぶ国立公園で、美しいサンゴ礁と白い砂浜が広がっています。ダイビングやシュノーケリングを楽しむのに適しています。

コロ

植民地時代の面影を残す歴史的な都市で、ユネスコ世界遺産に登録されています。カラフルな建物や独特の建築様式が見られます。


文化

ベネズエラの文化は、ヨーロッパ(特にスペイン)、アフリカ、そして先住民の文化が融合したものです。

音楽

ベネズエラを代表する伝統音楽にホローポ(Joropo)があります。この音楽は、ハープ、クアトロ(4弦のギター)、マラカス、そしてベネズエラの民族楽器であるマンドリンなどを使って演奏されます。音楽に合わせた踊りもあります。

料理

主食はトウモロコシを使った料理で、アレパが代表的です。これはトウモロコシ粉の生地を焼いたもので、様々な具材を挟んで食べます。また、パベジョン・クリオージョは、煮込み肉、黒豆、白米、フライドプランテンを組み合わせた伝統的な料理です。

祭り

毎年2月か3月に行われるサンバジルは、カラフルな衣装を身につけ、仮面をかぶって踊る祭りです。


スポーツ

ベネズエラで最も人気のあるスポーツは野球です。多くのベネズエラ人選手がメジャーリーグベースボール(MLB)で活躍しています。ロナルド・アクーニャ・ジュニアやミゲル・カブレラといった選手が有名です。ベネズエラ国内にはプロ野球リーグがあり、熱狂的なファンに支えられています。野球以外では、バスケットボールやサッカーも広く親しまれています。


日本との関係

日本とベネズエラの外交関係は1938年に樹立されました。両国は経済、文化、教育分野での交流を維持しています。

経済協力

経済面では、日本の企業が自動車部品や電子機器をベネズエラに輸出する一方、ベネズエラは主に原油やその派生物を日本に供給していました。しかし、近年では、ベネズエラの経済状況の変化により、貿易関係は変動しています。

文化交流

文化面では、日本の漫画やアニメ、伝統文化がベネズエラの若者の間で人気があります。また、教育分野では、日本政府が奨学金プログラムを通じてベネズエラの学生を受け入れています。ベネズエラには日本人のコミュニティも存在し、両国の友好関係を深める一助となっています。

このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。