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「ルーマニア」について調べてみよう
著作名: 早稲男
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ルーマニア

ルーマニア(英語ではRomania)は、東ヨーロッパのバルカン半島東部に位置する共和制国家です。

このテキストでは、ルーマニアの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1.国土

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ルーマニアは東ヨーロッパに位置し、総面積は約238,397平方キロメートルで、日本の約3分の2に相当します。南西にセルビア、北西にはハンガリー、北がウクライナ、北東をモルドバ、南にブルガリアと国境を接し、南東は黒海に面しています。

その地形は非常に多様で、中央にそびえるカルパティア山脈、広大なトランシルバニア高原、そして南部のドナウ川沿岸低地から成ります。国土の約60%が農地、約29%が森林地帯で、ドナウ川デルタはヨーロッパ最大の湿地帯であり、野生動植物の楽園となっています。首都はブカレストです。

気候は温帯性で、四季がはっきりとしています。夏は温暖で湿度が高く、冬は寒冷で降雪も多いです。ドナウ川や黒海が気候や生態系に大きな影響を与えています。


2.人口と人種

2024年時点の人口は約1,950万人で、都市部の人口割合は54.7%です。主要民族はルーマニア人(89.3%)で、その他にハンガリー系(6.1%)、ロマ人(3.0%)、ドイツ系などの少数民族が暮らしています。この多様性は、紀元前より様々なの民族(古代ローマ、オスマン帝国、ハプスブルク帝国、ソビエト連邦など)がこの土地を支配してきた歴史に起因しています。


3.言語

公用語はルーマニア語です。また、英語とフランス語は教育で重視されており、観光地や都市部では特に英語が広く通用します。その他、ロマ語、ハンガリー語、ドイツ語なども使われています。


4.主な産業

ルーマニアの経済はEU加盟以降、著しい成長を遂げました。農業は依然として主要産業で、トウモロコシや小麦が主要な輸出品です。

また、工業分野では自動車部品製造、石油精製、家電製品が発展しています。

さらに、IT分野が急成長を遂げ、「東欧のシリコンバレー」としての地位を確立しつつあります。IT人材の質の高さは、世界的にも評価されています。


5.主な観光地

ルーマニアには多くの観光地があります。トランシルバニア地方は「ドラキュラ」伝説で有名であり、ブラショフのブラン城が観光の目玉です。首都ブカレストは、19世紀末から20世紀初頭の建築が多く「小パリ」と呼ばれます。また、ユネスコ世界遺産に登録されたドナウ川デルタや、ヨーロッパ最大級の教会である黒教会も見逃せません。さらに、シギショアラの旧市街や、木造教会群が点在するマラムレシュ地方も人気です。


6.文化

ルーマニアの文化は、ラテン、スラブ、オスマン、ハンガリーの影響を受けた独自の融合文化です。伝統音楽や舞踊、絵画、刺繍などの工芸品が有名です。文学ではノーベル賞候補にも挙げられた作家ミルチャ・エリアーデや詩人ミハイ・エミネスクが知られています。また、東ヨーロッパの国々の中で独特なワイン文化を持ち、歴史的なワイン生産地域が国内に広がっています​。


7.スポーツ

スポーツではサッカーが最も人気ですが、体操競技ではナディア・コマネチが有名です。彼女は1976年のモントリオールオリンピックにおいて、オリンピック史上初めて10点満点を獲得しました。また、ラグビーやハンドボールも国民的に人気があり、冬季にはスキーやスノーボードも楽しめます。

8.日本との関係

経済協力

インフラ支援

日本は、ルーマニアの経済発展を支える重要なインフラプロジェクトに関与しています。その一例が、2023年に完成した「ブライラ橋」です。この橋は日本企業の技術力により建設され、全長は1.97 kmに及びます。ドナウ川に架かる橋として、EU域内で三番目に長い吊り橋であり、地域の交通効率を大きく向上させる役割を果たしています。

戦略的パートナーシップ

2023年に日本とルーマニアは「戦略的パートナーシップ共同声明」に署名しました。この声明では、経済協力を含む多分野での連携が謳われています。特に、産業の連携や投資促進、持続可能な成長に向けた取り組みが強調されており、グリーンテクノロジーやサステナブルな実践分野での協力が期待されています。


投資および技術協力

過去数十年にわたり、日本はルーマニアでの医療や教育、農業などの分野での草の根支援や技術供与を実施してきました。例えば、医療器材の供与や農業協同組合振興プロジェクトの支援が挙げられます。また、研修員や専門家の派遣を通じ、人的交流と技術移転が進められています。

日本企業の活動

ルーマニアには多くの日本企業が進出しており、特に製造業やIT分野での存在感が増しています。これにより、現地での雇用創出や技術移転が進み、両国の経済的つながりが深まっています。


これらの取り組みは、日・ルーマニア両国が経済協力を深化させる中で、今後も成長の可能性を秘めています。特に、地政学的に重要な位置を占めるルーマニアの発展が日本にとっても新たな市場と連携のチャンスを提供していると言えるでしょう。

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