更新日時:
|
|
蜻蛉日記原文全集「また二日ばかりありて」 |
|
著作名:
古典愛好家
7,617 views |
また二日ばかりありて
「心のおこたりにはあれど、いとことしげきころにてなん。夜さり物せんにいかならん、おそろしさに」
などあり。
「心ちあしきほどにて、えきこえず」
と物して、思ひたえぬるに、つれなく見えたり。あさましと思ふに、うらもなくたはぶるれば、いとねたさに、ここらの月ごろ念じつることを言ふに、いかなる物とたえていらへもなくて、寝たるさましたり。聞き聞きて、寝たるがうちおどろくさまにて、
「いづら、はや寝たまへる」
と言ひわらひて、人わろげなるまでもあれど、岩木のごとして明かしつれば、つとめて物もいはで帰りぬ。
それよりのち、しひてつれなくて、
「例のことはり、これとしてかくして」
などあるもいとにくくて、いひ返しなどして、言(こと)たえて廿余日になりぬ。
「あらたまれども」
といふなる日のけしき、うぐひすの声などを聞くままに、涙のうかぬときなし。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
蜻蛉日記原文全集「さて年ごろ思へばなどにかあらん」
>
蜻蛉日記原文全集「二月も十余日になりぬ」
>
平家物語原文全集「額打論 1」
>
平家物語原文全集「阿古屋之松 2」
>
蜻蛉日記原文全集「七月になりて相撲のころ」
>
蜻蛉日記原文全集「十七日、雨のどやかにふるに」
>
蜻蛉日記原文全集「それより立ちて行きもて行けば」
>
最近見たテキスト
蜻蛉日記原文全集「また二日ばかりありて」
10分前以内
|
>
|