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バクトリアとは わかりやすい世界史用語993 |
著作名:
ピアソラ
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バクトリアとは
バクトリアは、中央アジアに位置する古代の地域であり、現在のアフガニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンの一部を含みます。古代地方名とギリシャ人の国家の2つの意味があります。この地域は、紀元前2500年から紀元後1000年までの長い歴史を持ち、多くの異なる文明と文化の交差点として機能しました。ギリシア国家としては、紀元前255年頃からグレコ=バクトリア王国が成立しました。
バクトリアの起源と初期の歴史
バクトリアの歴史は、紀元前2500年から2000年に遡ります。この地域は、アケメネス朝ペルシアの一部として初めて歴史に登場し、ダレイオス1世のベヒストゥン碑文にも言及されています。バクトリアは、ゾロアスター教の初期の中心地の一つであり、「美しいバクトリア、旗で飾られた」としてアヴェスターに記されています。
アレクサンドロス大王とセレウコス朝
紀元前4世紀、アレクサンドロス大王がアケメネス朝ペルシアを征服した後、バクトリアも彼の支配下に入りました。アレクサンドロスの死後、バクトリアは彼の将軍セレウコス1世の支配下に入り、セレウコス朝の一部となりました。しかし、紀元前3世紀半ばにセレウコス朝のサトラップであったディオドトス1世が独立を宣言し、グレコ=バクトリア王国を建国しました。
グレコ・バクトリア王国とインド・グリーク王国
グレコ・バクトリア王国は、紀元前255年頃から紀元前145年頃まで続きました。この王国は、ギリシャ文化と東方文化の融合を促進し、特に芸術、建築、コインのデザインにおいてその影響が見られます。グレコ・バクトリア王国の後期には、王国はインド北西部に進出し、インド・グリーク朝が成立しました。
クシャーナ朝
紀元前140年〜紀元前130年の間に北の遊牧騎馬民族であるアシオイ,パシアノイ,トカロイ,サカラウロイの4種族(トハラ人)、大月氏に侵攻され、王国は滅ぼされました。バクトリアを拠点にクシャーナ朝が成立し、紀元1世紀には北インドにまでその支配を拡大しました。クシャーナ朝の時代、バクトリアは仏教の重要な中心地となり、多くの仏教遺跡が建設されました。
サーサーン朝とイスラムの征服
3世紀には、サーサーン朝ペルシアのシャープール1世がクシャーナ朝の西部を征服し、クシャーノ・サーサーン朝が成立しました。しかし、4世紀にはサーサーン朝がバクトリアを失い、その後6世紀に再び支配を取り戻しました。7世紀にはイスラム教徒による征服が始まり、バクトリアはイスラム化されました。
バクトリアの文化と遺産
バクトリアは、その長い歴史を通じて、多くの文化と文明の交差点として機能しました。ゾロアスター教、仏教、ギリシャ文化、ペルシア文化、そしてイスラム文化がこの地域で融合し、独自の文化を形成しました。
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