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八王の乱とは わかりやすい世界史用語522 |
著作名:
ピアソラ
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八王の乱とは
八王の乱(八王之乱)は、中国の西晋(265-316年)において、290年から306年にかけて発生した一連の内乱を指します。この乱は、晋の恵帝(司馬衷)の治世下で、帝国の支配権を巡って八人の王子(司馬氏の王族)間で繰り広げられました。
背景と原因
八王の乱の背景には、晋王朝の創設者である司馬炎(武帝)の死後、後継者問題がありました。武帝の後を継いだ恵帝は、知的障害を持っていたため、政治的に無力であり、これが権力闘争の引き金となりました。恵帝の治世下で、皇后賈南風(賈后)が実質的な権力を握り、彼女の影響力が他の王子たちとの対立を深めました。
八王の乱に関与した主要な王子たちは以下の通りです:
司馬亮(司馬良) - 汝南王、司馬懿の子
司馬瑋(司馬瑋) - 楚王、武帝の子
司馬倫(司馬倫) - 趙王、司馬懿の子
司馬冏(司馬冏) - 齊王、恵帝の従兄弟
司馬乂(司馬乂) - 長沙王、武帝の子
司馬穎(司馬穎) - 成都王、武帝の子
司馬顒(司馬顒) - 河間王、武帝の従兄弟
司馬越(司馬越) - 東海王、武帝の従兄弟
主要な乱
司馬亮と司馬瑋の対立
最初の対立は、司馬亮と司馬瑋の間で発生しました。司馬亮は、賈南風の影響力を排除しようとしましたが、逆に司馬瑋によって殺害されました。その後、司馬瑋も賈南風によって処刑されました。
司馬倫の蜂起
趙王司馬倫は、賈南風を排除し、自らが皇帝の座を奪おうとしました。彼は成功し、一時的に皇帝となりましたが、他の王子たちの連合軍によって打倒されました。
司馬冏の台頭と没落
司馬冏は、司馬倫を打倒した後、実権を握りましたが、彼の専横に対する反発が強まり、最終的には司馬乂と司馬穎によって打倒されました。
司馬乂と司馬穎の対立
司馬乂と司馬穎の間で激しい戦闘が繰り広げられました。司馬乂は一時的に優勢でしたが、最終的には司馬穎によって捕らえられ、処刑されました。
司馬顒と司馬越の決戦
最後の大きな対立は、司馬顒と司馬越の間で発生しました。司馬顒は、司馬穎と同盟を結びましたが、司馬越の軍勢に敗北し、最終的には司馬越が勝利を収めました。
結果と影響
八王の乱は、西晋を大きく弱体化させ、その後の中国の歴史に深刻な影響を与えました。この内乱により、晋の中央政府は崩壊し、北方の遊牧民族である匈奴が台頭するきっかけとなりました。これにより、中国は五胡十六国時代(304-439年)に突入し、長期間にわたる戦乱の時代が続きました。
八王の乱は、権力闘争が国家全体に及ぼす影響を示す重要な歴史的事例でした。
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