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「インドネシア共和国」について調べてみよう
著作名: 早稲男
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インドネシア共和国

インドネシア(以下「インドネシア」、英語ではRepublic of Indonesia)は、東南アジア南部に位置する共和制国家です。首都はジャカルタです。

このテキストでは、インドネシアの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1.国土

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インドネシアは約17,000の島々から成り立ち、その総面積は約192万平方キロメートルで、日本の約5倍に相当します。陸で国境を接している国は、東ティモール、マレーシア、パプアニューギニアの3国です。主要な島としては、ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島(ボルネオ島の一部)、スラウェシ島、そしてニューギニア島の西半分を占めるパプア島などがあります。首都ジャカルタはジャワ島の北西海岸に位置し、政治、経済、文化の中心地として機能しています。


2.人口と人種

人口は約2億7,000万人(2023年:インドネシア政府統計)で、世界第4位の人口を有しています。この多人口は、300以上の民族グループから構成され、ジャワ人、スンダ人、マレー人、バタック人、マドゥラ人などが主要な民族です。各民族は独自の言語、文化、伝統を持ち、多様性に富んだ社会を形成しています。


3.言語

インドネシアの公用語はインドネシア語(Bahasa Indonesia)であり、国全体の共通語として使用されています。しかし、各地域には独自の言語や方言が存在し、例えばジャワ語、スンダ語、バリ語などが日常生活で話されています。教育や公式な場面ではインドネシア語が使用される一方、家庭や地域社会では地域言語が根強く残っています。


4.主な産業

インドネシアの基幹産業は農業、鉱業、製造業、観光業などです。農業部門では、米、パーム油、コーヒー、カカオ、ゴムなどの生産が盛んで、特にパーム油の生産量は世界トップクラスです。鉱業部門では、石炭、石油、天然ガス、金、ニッケルなどの資源が豊富で、これらの輸出が重要な収入源となっています。製造業も発展しており、繊維、電子機器、自動車などの生産が行われています。近年では、サービス業や観光業も成長を遂げ、経済の多角化が進んでいます。


5.主な観光地

インドネシアは自然の美しさと文化的遺産が豊富で、多くの観光地があります。バリ島は美しいビーチや独自のヒンドゥー文化で世界的に有名です。ジャワ島のジョグジャカルタ近郊には、世界遺産に登録されているボロブドゥール寺院やプランバナン寺院があります。また、コモド島では世界最大のトカゲであるコモドドラゴンを観察することができます。スラウェシ島のトラジャ地域では、独特の伝統文化や風葬儀式が見られます。さらに、スマトラ島のトバ湖やカリマンタン島の熱帯雨林など、魅力的なスポットが多数存在します。


6.文化

インドネシアの文化は、多様な民族と歴史的背景から形成された豊かなものです。伝統的な舞踊や音楽、工芸品などが各地域で受け継がれています。例えば、バリ島のバリ舞踊やガムラン音楽、ジャワ島のワヤン・クリ(影絵芝居)などが有名です。また、バティックと呼ばれる伝統的な染織技術は、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。宗教的には、イスラム教が国民の約87%を占めますが、ヒンドゥー教、キリスト教、仏教なども信仰されており、宗教的寛容が重視されています。


7.スポーツ

インドネシアでは、バドミントンが国民的なスポーツとして広く親しまれています。インドネシアの選手たちは、オリンピックや世界選手権で数多くのメダルを獲得しており、国際的にも高い評価を受けています。また、サッカーも人気があり、国内リーグや国際試合が盛んに行われています。伝統的なスポーツとしては、プンチャック・シラットと呼ばれる武術があり、東南アジア競技大会などで競技種目として採用されています。


8.日本との関係

経済協力

日本とインドネシアの経済関係は、長年にわたり強固なパートナーシップを維持しています。特に、日本はインドネシアの主要な貿易相手国であり、多くの日本企業がインドネシアに進出しています。この経済協力は、以下のような具体的な取り組みによって支えられています。

経済連携協定(EPA)の改正

2008年7月に発効した日・インドネシア経済連携協定(EPA)は、両国間の貿易と投資の自由化を促進してきました。2023年12月には、このEPAの改正交渉が大筋合意に至り、2024年8月に改正議定書に署名されました。改正EPAの発効により、日本からインドネシアへの自動車や鉄鋼製品の関税が段階的に撤廃されるなど、貿易のさらなる活性化が期待されています。

インフラ整備への支援

日本政府と日本企業は、インドネシアのインフラ整備にも積極的に関与しています。例えば、2019年に開業したジャカルタの大量高速鉄道「MRT南北線」は、日本の全面的な支援によって実現しました。現在、第2フェーズの建設が進行中であり、東西線の建設も日本の技術を活用して進められています。これらのプロジェクトは、インドネシアの交通渋滞の緩和と経済発展に寄与しています。

人的交流と技能実習

日本は、インドネシアからの技能実習生の受け入れにも力を入れています。特定技能外国人として活動を行う場合、必要な手続きやサポートが提供されており、これによりインドネシアの若者が日本で技術を習得し、帰国後のキャリアに活かすことが可能となっています。

安全保障

日本とインドネシアは、地域の平和と安定を維持するため、安全保障分野でも協力を深めています。特に、以下の取り組みが注目されています。

防衛交流と協力

両国は、防衛当局間の対話や共同訓練を通じて、防衛協力を強化しています。これにより、地域の安全保障環境に対する共通の理解を深め、連携を強化しています。

「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進

日本は、インドネシアを含む地域諸国と協力し、「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進しています。この構想は、法の支配、航行の自由、自由貿易などの普遍的価値を共有し、地域の平和と繁栄を目指すものです。

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