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印章とは わかりやすい世界史用語251
著作名: ピアソラ
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印章とは

印章は、紀元前2500年から2400年にかけて、現在のパキスタンのシンド州にあるモヘンジョダロの考古学的遺跡で発見されました。これらの印章は、ステアタイトという石で作られ、アルカリでコーティングされ、焼かれています。印章には、大きな人物が台座に座っている姿や、角のある水牛、サイ、象、虎などの動物が刻まれており、その下には小さな角のある鹿が一対で描かれています。右側の鹿はいつか壊れてしまったようですが、残された角から、鹿が中心から頭を離しており、そのパートナーと同様に、座席の端に向かって見ていたことがわかります。印章の一番上には、まだ解読されていない文字が刻まれており、象と虎の間のスペースに一つのシンボルが移動されているようです。

モヘンジョ=ダーロは、インダス川にちなんで名付けられたインダス文明の一連の集落の一つで、現在のパキスタンと北西インドに広がる広大な地域を含んでいました。モヘンジョダロには推定で40,000人の住民がおり、効率的な都市施設、街路排水、下水道システム、大規模な公共建築物などが整備されていました。住民は井戸水にアクセスでき、多くの家には浴室がありました。インダスの都市の発掘からは数千にも及ぶ印章が発見されており、ペルシャ湾の南西アジアの遺跡でも同様に発見されています。湾岸地域の印章もインダスの都市で発見されており、これらの発見は紀元前3千年紀にこれらの地域間で活発な貿易と交換が行われていたことを示唆しています。

印章にはしばしば、水牛、サイ、象などの大きな動物が一匹だけ特徴として描かれています。動物は常に横向きに描かれ、時には餌箱のそばに立っていることもあります。印章には、ユニコーン(つまり、一本の角を持つ動物)や、木、一つの体と複数の頭を持つ動物も見られます。印章の裏側には、一つの丸い突起が中央にあり、その穴に紐を通して印章を吊るすことができました。

インダスの印章には、絵文字の形で文字が含まれていますが、残念ながら私たちはまだそれを読むことができません。インダス文字はまだ解読されていないのです。しかし、学術研究により、ほとんどの印章が貿易の重要な要素であった可能性が高いことが判明しています。

これらの印章は、インダス文明の人々の生活、社会、そして経済活動に関する重要な情報を提供しており、今後も研究が進むにつれて、新たな発見が期待されます。

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