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明の建国者の朱元璋
著作名: Satow
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朱元璋は元を倒して明を建国した人物です。朱元璋が成長した時代はどんな時代だったのでしょうか。

朱元璋は貧農の末っ子に生まれました。その当時、元は末期的でした。夏には河は氾濫したり日照りになったりで、全国的に飢饉が襲っていました。天子は贅沢に耽り、実力者たちは軍閥と手を組んで互いに争っており、まともな政治は行われていませんでした。地方の役人は困窮した農民から重税をふんだくっていました。農民は追い詰められ、流民となって至る所で反乱を起こしていました。もはや元は国家として機能していなかったのです(このような末期的状態は、中国史ではよく見られる風景です)。

では、貧農の末っ子である朱元璋はどうやって出世の糸口をつかんだのでしょうか。

朱元璋のいた村も日照りで人々は飢え、流行病まで起こって多くが亡くなりました。朱元璋は十代の頃に両親と長兄を失いました。食うに困って近くの寺に入って僧となりますが、そこも追い出されました。朱元璋は托鉢僧として流浪の旅に出ざるを得ませんでした。

数年後に故郷の寺に戻ると、朱元璋を追い出したその寺が今度は乱兵によって焼き討ちにされます。どうにもならなくなって、朱元璋は最後に反乱を起こしたばかりの郭子興(かくしこう)の反乱軍に入ろうとします。そこで大将の郭子興本人に運よく出会い、仲間にしてもらういました(朱元璋はかなりの醜い顔つきだったらしく、そのため郭子興は関心を抱いたと言われます。醜い容貌もかなりのものとなれば却って目立って人をひきつけるのです)。

やがて朱元璋は九人長(足軽頭)に任命されます。こうして朱元璋は出世を果たし、ついには建国の父にまでなっていくのです。

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