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古文単語「ひしぐ/拉ぐ」の意味・解説【ガ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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ひしぐ/拉ぐ

このテキストでは、ガ行下二段活用の動詞「ひしぐ/拉ぐ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「ひしぐ」には、
①ガ行下二段活用
②ガ行四段活用
の用法がある。

①ガ行下二段活用

未然形ひしげ
連用形ひしげ
終止形ひしぐ
連体形ひしぐる
已然形ひしぐれ
命令形ひしげよ


意味1:自動詞

押しつぶされる

[出典]:方丈記
「地のふるひ、家の破るる音、いかづちに異ならず。家のうちにをれば、たちまちにうちひしげなむとす。」

[訳]:地面が揺れ、家が壊れる音は、雷と少しも変わらない。家の中にいると、そのまま押しつぶされてしまいそうである。

※「うち」は接頭語。




②ガ行四段活用

未然形ひしが
連用形ひしぎ
終止形ひしぐ
連体形ひしぐ
已然形ひしげ
命令形ひしげ


意味1:他動詞

押しつぶす

[出典]五月ばかりなどに 枕草子
「蓬の、車に押しひしがれたりけるが、輪の回りたるに、近ううちかかりたるもをかし。 」

[訳]:蓮で、牛車に押しつぶされてあったものが、(牛車の)車輪がまわるにつれて、(窓の)近くに(押しつぶされた蓮があがってきて)掛かるのは趣があってよい。


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